2日目の仕事は記者会見を見に行くところからスタートした。

 台湾で「バラードの女王」と言われている温嵐(ランディ)が、Legacyというライブハウスで今夜歌うのだという。

 なんでもこのライブハウスのある場所は大昔、日本が統治していた時代にビール工場があったらしく、古い建造物を残している。いわゆる今イケてるスポットらしく、レストランや貸しイベント場などが並ぶ。やぶ蚊がぶんぶんいることをのぞけば、なかなか素敵な空間である。

 リハーサルから撮影させてもらう。温嵐はいきなりすごい衣装で現れた。肌色の全身レオタードにラインストーン付きである。昔、ホイットニー・ヒューストンがこういうのを着ていた記憶があるが、あれは黒っぽかった。これはまるで全裸にラインストーンのようである。その衣装は今回の売りらしく、記者会見にも50人以上のマスコミ陣が集まった。マスコミのおじさんたちはどこの国も似た感じである。

 舞台は密林のように草木が配され、天井から綱が一本下がっていた。

「あれに捕まって、ターザンみたいに出てくるんですかね」

 皆、そんな噂をしている。しかし本番にはその綱はどこにもなかった。

 あれは企画倒れだったのだろうか。

  • 出演:温嵐(ウェン・ラン、通称ランディ)

    1979年台湾生まれ。タイヤル族の出身。「狂野歌姫」(ワイルド・ディーバ)の異名をもつセクシーシンガー。最新アルバム『AYO』が話題。
    公式動画 http://www.youtube.com/watch?v=awPGoIaY-N0

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

  • コーディネーター:木山善豪

    アジアエンタテイメントのコンサルティングを核とし、中国語圏のエンタメビジネス全般のサポートを手がける。台湾と日本の血統を合わせもつスタッフで構成された組織で、両国での幅広いネットワークとバランス感覚をもつ。
    [OFFICE303] ENTERTAINMENT&MODEL http://www.office303.jp/

取材協力:
エバー航空 http://www.evaair.com/html/b2c/japanese/
「ハローキティジェットが羽田~台北にも登場!」

台北馥華商旅(FORWARD HOTEL) http://www.imvr.net/hotel/fwhotelsj/

ギア・ハウス、ギア・サポート(東京) http://www.gearhouse.co.jp/

撮影:萩庭桂太