楽しげにポールに絡み付く彼女たちを1人ずつ引きはがし、インタビューすることにした。1人目はPINOKO(ピノコ)。静岡出身の25歳である。

 ちょっとぽっちゃりした女の子らしい体型に見えるが、インナーマッスルはむきむきらしく、簡単に膝裏をポールに回して全身を支えひっくり返るわ、ご覧のように街角の標識に腕だけで自分を支えちゃうわ、のアクロバットである。

「4歳の頃からミュージカルを習っていて、舞台が好きになったんですね。中学から高校卒業までは吹奏楽部でサックスを吹いていました。高校のときは、朝6時から夜10時まで、14時間練習ですよ。彼氏もいなかった。そのかいあって、アンサンブルの大会で準優勝したんです。音大の推薦をもらったけど、これでいいのかなあと思っていました。当時、野村萬斎が大好きで舞台で彼の『ハムレット』を観に行ってこれだ! と思いました。舞台やろう、私も、と。それで親の反対を押し切り、18歳で上京したんです」。

 野村萬斎はすごい。見ず知らずの人の人生をこんなふうに変えているのだから。

  • 出演:X&O

    2011年結成。EMIJAY、ELLES、RiE、PINOKOの4人を中心としたガールズパフォーマンス集団。エアリアルシルク、ポールダンス、バトントワリングなど、様々なジャンルを取り入れたアクロバティックなステージングでオーディエンスを魅了する。現在、アーティストのバックダンス、ミュージックビデオへの出演、クラブイベントなど数々のステージで活動するほか、日本・台湾同時デビューも決まり、その活動の場をアジアから世界へと広げていく。
    X&Oオフィシャルブログ http://ameblo.jp/xando-pro/

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影協力:
リストラッツィオーネ レ・ジーア http://www.le-ga.jp/
MUSIC×RESTAURANT TIME512 http://www.time512.com/

撮影:萩庭桂太