6月24日、六本木にあるビルボードライブ東京で、山中千尋のライヴが行われた。

 1時間15分ほどのショーを1日に2セット。この日は日曜日ということもあり、ファーストセットは16時30分スタートと早い。

 13時に会場を訪れると、山中はドラマーとベーシストとともに、すでにサウンドチェックを行っていた。リラックスした雰囲気ではあるものの、特に新曲に関しては、山中は細かく指示を与えている。

 山中のライヴの演奏曲は、その日、そのステージ上で決められることが多い。だから、メンバーはより多くの曲を演奏することを想定してライヴにのぞまなくてはいけないし、突然の曲変更にもフレキシブルに対応する技術がなくてはいけない。

 ファーストセットでは「シー・ディド・イット・アゲイン」「レイン・レイン・アンド・レイン」「サンド・シップ」の後に、新作『ビコーズ』から「ビコーズ」と「イエスタデイ」が演奏された。

 ビートルズによるオリジナルとは違い、山中の「ビコーズ」にはグルーヴがあり、「イエスタデイ」ではドラマーがパーカッシヴな演奏をした。客席のリアクションもいい。ますます『ビコーズ』のリリースが楽しみになる。

『ビコーズ』 2012.07.18発売

【左】初回限定盤 SHM-CD(+DVD) 3,500円(税込)UCCJ-9126
【中央】初回限定盤 SA-CD ~SHM仕様~ 4,500円(税込) UCGJ-9004
【右】通常版 SHM-CD 3,059円(税込) UCCJ-2102
http://www.universal-music.co.jp/chihiro-yamanaka/

  • 出演:山中千尋

    福島県生まれ、群馬県育ち。ジャズ・ピアニストで作曲家でアレンジャーでプロデューサー。米ボストンのバークリー音楽大学を首席で卒業し、アルバム『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』でデビュー。『アピス』『レミニセンス』などのアルバムを発表。7月18日に、「イエスタデイ」「ミッシェル」「ユア・マザー・シュッド・ノウ」などビートルズのカヴァーにオリジナルの「インサイト・フォーサイト」「イット・ワズ・ア・ビューティフル・ミニット・オブ・マイ・ライフ」を加えた10曲(通常盤/SACD~SHM仕様~盤はボーナストラック入りで11曲)を収録した『ビコーズ』をリリース(ユニバーサル ミュージック)。7月28日(金)に神奈川県の葉山マリーナで開催される「真夏の夜のJAZZ」に出演。9月7日からはジャパン・ツアーがスタート。

    山中千尋 オフィシャルサイト http://www.chihiroyamanaka.com/
    山中千尋 公式twitter https://twitter.com/#!/ChihiroYamanaka
    真夏の夜のJAZZ in HAYAMA 2012 http://microsites.universal-music.co.jp/event/jazz2012/

  • 取材・文:神舘和典

    1962年東京都出身。音楽を中心に書籍や雑誌のコラムを執筆。ミュージシャンのインタビューは年間約70本。コンサート取材は年間約80本。1998年~2000年はニューヨークを拠点にその当時生きていたジャズミュージシャンのほとんどにインタビューを行った。『ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)、『25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)、『上原ひろみ サマーレインの彼方』(幻冬舎文庫)など著書多数。

    新潮新書 http://www.shinchosha.co.jp/writer/1456/
    幻冬舎新書 http://www.gentosha.co.jp/book/b4920.html

撮影:萩庭桂太