小さい街角のビル保護犬シェルターが吉祥寺に
RINA
- Magazine ID: 1038
- Posted: 2012.05.16

我々は楠野さんの家からほど近い、吉祥寺の「わんずぺ~す」というシェルターに行ってみることにした。そこはKONAがいたところでもある。(KONAもハワイ在住モデルブレンダが写真を見てつけてくれた名前)
ごく普通の小さな貸しビル。「里親探しています」の張り紙がなければ、小さなペットショップにも見える。
代表の鈴木美枝さんはもともとイラストや漫画を描いていた人。母親が末期がんの闘病後亡くなったのをきっかけに心理学の勉強を始め、臨床心理士の資格をとろうとしていたが、家に保護犬が来たのをきっかけに今のシェルターができないかと考え始めた。
「最初は社会的起業でした。株式会社でカフェを始めたんです。もちろんそこで保護犬に会いに来てもらったり、そこで理解を深められるようにできないかというもくろみでした。でもカフェやイベントの仕事に追われてしまい、譲渡が後回しになってしまっていました。それでカフェは辞め、保護のトレーニングにも力を入れて、去年から譲渡を目的とした保護団体にしました」
彼女はどうやら親から譲り受けた家を売り、この仕事を続けているらしいが赤字らしい。私は湘南の保護犬シェルターを取材したことがあるが、その人たちはそれとは別にBARを経営していたし、土地代もそれほどかからなさそうだった。ここは吉祥寺だ。それに室内でこんなに清潔に丁寧に飼っていれば、そりゃ大変だろう。
楠野さんが教えてくれた。
「日本で殺処分されるイヌは平成22年の統計で年間5万2千頭。アウシュビッツみたいにガス室で殺すらしい。10分~20分間、悶絶して死んでゆくそうよ」
鈴木さんが続けた。
「でもね、そんなこと、働いている人だって気持ちよくやっているとは思えないんですよね」
私も、そんな殺生を喜んでする人間がいるとは思えない。ではその根源で、殺されるイヌを捨てるのは誰なのか。
(取材・文:森 綾)
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出演:RINA
ブラジル生まれ。イタリア系ブラジル人の母親と日本人の父親の間に生まれる。身長172センチで股下90センチというプロポーションをもち、多くの女性ファッション誌やCMでモデルとして活躍中。
http://www.rinafujita.com/ -
取材・文:森 綾
1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクション『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)など多数。
http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影協力&里親お問い合わせ:わんずぺ~す http://www.wanspace.jp/
撮影:萩庭桂太