問題のあるイヌほど可愛い
RINA
- Magazine ID: 1036
- Posted: 2012.05.15
あとの2匹は、まだ若い。まずのらくろのような顔をしているのが、千葉の森シェルターからもらってきたビンゴくん。推定2歳。母犬は甲斐犬なのだという。
「今、ハワイに住んでいるモデルのブレンダがこの子にビンゴっていう名前をつけてくれたんです。弱そうだから、って。母犬と一緒に赤ちゃんのときに捨てられていたんですって。うちに来たときは大変でしたよ。食べない、飲まない、動かない。血便や血尿を出すほど神経をすり減らしていて」
そういう犬を楠野さんはどうやって慣れさせたのだろう。
「まず私が神経質にならないことだと思ったんです。イヌは飼い主を鏡にしてしまうから。だからリードをつけて、他のイヌと一緒にわーっと走らせたりして。寂しいとか怖いとかいう気持ちを捨てさせた、みたいな」
体育会系トレーニングである。まるで悩む中学生を毎日走らせてみました、というような。でもビンゴはその楠野さんのトレーニングを素直に受け入れていった。
そして最も新入りが、お迎えに吠えてくれたコナだ。
「まだ9カ月で子どもなんです。吉祥寺の『わんずペ~す』というシェルターに3兄弟でいたんです。みんなこんなふうにちょっとやんちゃな感じでした。最初は別のちっちゃいのを見ていたんですけど『楠野さんはチャレンジャーだから、こちらのほうが』とすすめられて。確かに問題のあるイヌのほうが可愛いんですよ」。
(取材・文:森 綾)
-
出演:RINA
ブラジル生まれ。イタリア系ブラジル人の母親と日本人の父親の間に生まれる。身長172センチで股下90センチというプロポーションをもち、多くの女性ファッション誌やCMでモデルとして活躍中。
http://www.rinafujita.com/ -
取材・文:森 綾
1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクション『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)など多数。
http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影協力&里親お問い合わせ:わんずぺ~す http://www.wanspace.jp/
撮影:萩庭桂太