「桜の下、美しかったですねえ、美少年、って感じで」と私が言うと「いやいや、もう40ですから。中年ですよ」と笑顔で返してくれた。

 日頃のステージからはなかなか想像できない素顔の一面。「永遠の貴公子」として見ているファンが圧倒的に多いのも、うなずける佇まいがある。しかし、ここは週刊文春WEB、プライベートな話もいただきたい。……あの、スィーツが好き、という噂を聞いたんですが。

「高校時代から、自分でお菓子づくりをしていたんです。パウンドケーキ、シュークリーム。クッキーもすごく薄くして一枚一枚花びらの形にして、バラの形にしたりとか。凝り性なんですよ」

 なんと貴公子はスウィーツ王子でもあったのか。

「今は毎朝、パンを焼いています。食パンですが、毎回、粉、砂糖、塩の種類を変えて作ります。今は北海道の『春よ来い』という小麦粉がいいですね。先日、石垣島に行って波照間島や西表島の黒糖というのを買ってきました。卵を60個くらい取り寄せたりしたこともあります。塩も常に5~6種類はあります。あ、家では相当邪魔だと思われている気がするんですが」

 ええっ、邪魔じゃないでしょう。邪魔だったらパンも貴公子も、いただきにあがりますが……。

(取材・文:森 綾)

  • 出演:藤原道山&SINSKE

    尺八の新たな魅力を拓く若き第一人者として邦楽のみならず幅広いジャンルで活躍中の藤原道山(ふじわらどうざん)。ヨーロッパで研鑽を積み数多くの受賞歴をもつマリンバ奏者SINSKE(シンスケ)。二人による 尺八とマリンバのユニットは、まるでオーケストラのように多彩。ラヴェル作曲「ボレロ」など「世界最小編成オーケストラ」の愛称で各地のコンサートやイベントで非常に高い評価を得ている。それぞれのソロも交え、邦楽、クラシック、オリジナル作品という幅広いレパートリーで構成する初の全国ツアーが、5月6日の長野(松本)を皮切りにスタートしている。
    http://www.dozan-sinske.com/
    http://www.youtube.com/watch?v=PMxNKVFDy0c

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクション『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)など多数。映画『音楽人』(主演・桐谷美玲、佐野和眞)の原作となったケータイ小説『音楽人1988』も執筆するほか、現在ヒット中の『ボーダーを着る女は95%モテない』(著者ゲッターズ飯田、マガジンハウス)など構成した有名人本の発売部数は累計100万部以上。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太