おかげさまでこのYOUR EYES ONLY もアクセスが徐々に増え「夜中にこれをこっそり読むのが楽しみです」とか「毎朝通勤の電車のなかでにやにやしてしまいます」といったコメントをFacebookなどにいただくようになった。「ギャラがない」と明言しているにも関わらず、売り込みの話もちょくちょくあるようだ。 

 最近、還暦を迎えたN局長は「今回の女性はタイプじゃないな。ハギニワの趣味に偏るのはつまらんな」などと、誰も求めていないアドバイスを下さる。萩庭桂太はそのアドバイスにいちいちムッとするが、楯突くことはしない。が、後でスネ夫の口になり、ブツブツ愚痴をこぼす。

「Nさんの趣味だったらいいのかよ~」

 心が中3と中2の葛藤は複雑だ。

「すっとしていて知的でストレートヘアが似合うような古典的な女だったら、いいのかしら」

 過去の発言をもとに、私はN局長の好きなタイプを脳裏に描く。しかし以前「小雪はダメだが、春香はいい……」と、のたもうていた。同性の目から見たら同じジャンルにしか見えないのだが。

 そんないきさつもあり、モデルや女優だけではなく、もっと広い視野で面白い人を探していこうというのが、この連載の方針である。

今回登場するのはアーティストの小松美羽だ。「美しすぎる銅版画家」というキャッチフレーズが、ちょっぴりあやしい。

(取材・文:森 綾)

【後編】 撮られることが仕事じゃない人。

  • 出演:小松美羽

    1984年11月29日、長野県生まれ。趣味は狛犬研究、漫画や小説の創作、なぎなた(北信越3位)、水泳と幅広い。女子美術大学短期大学部卒。2004年度 女子美術大学 優秀作品賞、日本版画協会版画展 入選。2012年 小松美羽作品展「画家の原点回帰 ~ウガンダ~」(オリンパスギャラリー東京・大阪)
    http://www.miwa-komatsu.com

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクション『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)など多数。映画『音楽人』(主演・桐谷美玲、佐野和眞)の原作となったケータイ小説『音楽人1988』も執筆するほか、現在ヒット中の『ボーダーを着る女は95%モテない』(著者ゲッターズ飯田、マガジンハウス)など構成した有名人本の発売部数は累計100万部以上。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影協力:
オリンパスギャラリー http://olympus-imaging.jp/event_campaign/olympusplaza/
撮影:萩庭桂太