3 二十代はウロウロ、フニャフニャ
ブレイクの予感 俳優 安田カナ
- Magazine ID: 4158
- Posted: 2024.06.26
「大学を出てからは、いろんなところをウロウロ、ウロウロ。演劇の学校では、その後どうやって俳優になるかは、教えてくれないんです。演劇を学ぶところだから、試演会を見て声をかけてくださった事務所に預かってもらったりはしましたが、その先どうしたらいいのかわからず。ヒマなんで神社のお祭りの手伝いをしていたら、『おねーさん、あなた元気だね! 何してるの?』『はい、役者やってます』『私、芸能事務所のデスクしてたから、紹介してあげるよ』みたいなこともあったりして」
ツテがないと、オーディションも受けることができないとか。
「本屋で売ってる『月刊デビュー』とかの雑誌を見て、フリーでも受けられるオーディションを受けたり。そこでひとつ役をもらえても、その先どうすればみんなに認知してもらえるのかわからなくて、なんか、フニャフニャしてました」
そんな20代を過ごしながら、安田カナは一度も、俳優を諦めようとはしなかった。
「ネガティブな意味じゃなくて、私はこれしかできないから、これをやるしかない、やるぞって」
特技だって、ある。
「母親の影響で歌も大好き! 中学時代からモダンダンスを習っていたので、踊るのも大好き! あと、少林寺拳法をやってました。中1から6年間くらい、初段くらいのところまでやってましたから、体さばきができる。殺陣も得意で、剣殺陣もできます。ダンスとか拳法をやっていたおかげで、私は基礎体力とか筋力がめちゃめちゃあって、そんなに疲れないし、動いても息があがらないぽっちゃりさんができあがりました(笑)」
景色が変わってきたのは、30代に入ってから。業界の中で、なんとなく縁のあった人との巡り合わせで、現在のマネージャーに出会った。
「もう、大好きな人なんです。俳優とマネージャーは二人三脚って言ってくれる人です。私はまだまだ、仕事ひとつでお金がたくさんいただけるような俳優ではないので、ある程度ドラマや映画の本数を稼がないと、生活ができない。だったらそのためにどうすればいいか、親身に考えてくれます。こういう人と一緒に仕事をしたいな、と思っていたら、それが実現した。思いは通じるんだなって」