元気のいいおねえさんだ。
 俳優の安田カナは7月3日から上演される『ミュージカル ダブリンの鐘つきカビ人間』のため、稽古場で歌って踊って転がって、現在猛烈リハーサル中。
「すっごく面白い作品に仕上がってます! もともと30年くらい前に書かれた戯曲で、最初は関西の劇団で人気になって、それからあちこちで、どんどん大きな劇場でも上演されてきたんですけど、今回初めてミュージカル仕立てでやるんです。ギャグがいっぱいあって、ケルト音楽というすごく不思議で魅力的な音楽が使われていて、そして個性あふれる役者さんがたくさん出てきます。えっと、ひと言でいうと、カラフルな悪夢、みたいな(笑)」
 かなり話題になっているこの舞台、安田カナは〈膝小僧〉という役柄で登場する。
「ざっくりかいつまんで言うと、奇病が流行っちゃって、変な症状がでちゃった人たちが住む町の話なんです。私がやるのは巨漢の女の人で、膝がとにかく痛くて全然動けないっていう設定。衣装もすごく大きくて。だから稽古中も身軽には動かないし、ずっと痛そうに歩いているんですけど、現実とお芝居がごっちゃになってしまうのか、共演の方が心配して特別なサポーターを教えてくれたり、スタッフさんが心配して椅子を用意してくれたり。でもね、私自身はなんともない。芝居ですから。大丈夫なんです、『安田、膝痛くありません!』って何度も叫んでます(笑)」
 なるほど。さらに。
「今回メインを張る七五三掛龍也さんと吉澤閑也さんが、運動神経がめちゃめちゃ良くて。演出されたことを体でやってみる、というのが楽しくて仕方ないみたい。見どころいっぱいです。しかも共演の方たちが、とにかくみんな面白い! みなさんに見てほしいです」
 金曜日まで連日更新しながら、今週のYEOは俳優の安田カナをクローズアップ。俳優になるまでのプロセスや、今の自分に思うことなどなど、ぶっちゃけていろいろ、話してくれた。
「えっと、自分のことをしゃべるインタビューって、実は初めてなんですよ。昨夜から、何を話したらいいんだろう? って」
 さてさて、何を話してくれるのかな?

  • 出演 :安田カナ やすだ かな

    1986年12月18日生まれ、東京都出身。桐朋学園芸術短期大学演劇専攻科修了。歌も踊りもこなし、少林寺拳法、殺陣などの特技を活かしてドラマや映画、舞台に出演。声優としても活動。味のあるキャラクターとして注目が集まっている。

    『ミュージカル ダブリンの鐘つきカビ人間』
    1996年の初演以来、何度も上演されてきた人気演目を、今回初めてミュージカル仕立てで公演。『チャーリーとチョコレート工場』などファンタジックな世界を作ることに定評のあるウォーリー木下が演出を手がける。
    とある山中で、旅行中のカップルが出逢ったひとりの老人。ふたりはいつのまにか老人が語る昔話の中に引きずりこまれ、奇妙な病が蔓延する町にたどりつくが・・・・。
    作 後藤ひろひと 脚色・演出 ウォーリー木下 音楽・音楽監督 中村大史
    出演 七五三掛龍也、吉澤閑也、伊原六花、加藤梨里香、松尾貴史、中村梅雀ほか。
    東京公演 2024年7月3日(水)~10日(水)東京国際フォーラム ホールC 
    大阪公演 2024年7月20日(土)~29日(月)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

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    取材/文:岡本麻佑

    フリーライター歴30余年。女性誌、一般誌、新聞などで活動。俳優・タレント・アイドル・ミュージシャン・アーティスト・文化人から政治家まで幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。単行本、新書なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/