Jujuのモットーは、『負けても負けても諦めない』。父親の野田英樹さんが幼い日に、Jujuに教えた言葉だという。
「小さい頃から、他のスポーツではそんなに引きずらないのに、レースだけは、負けるとすごい、悔しかったんです。負けたくないっていう気持ちが強かった。でもそんな私を見て父が言ったのは、『負けることは、悪いことじゃないよ』って。どんなスポーツでも、レースでも、負けることのほうが、勝つことよりも多いんです。でも負けたときに、そこで諦めたら、それは本当の負けになってしまう。でも負けたときに諦めないで次に進めば、その負けから学ぶことってすごくあると思うし。そういう思いで、『負けても負けても諦めない』という言葉を、大事にしています」
 さて、今日のレーシングスーツは、Jujuの勝負服。月曜日から昨日の木曜日までのポートレートは等身大の、17歳のJujuの私服姿だ。
「レースやってないときはふつうの女の子だと、自分では思っているんですけど、ね(笑)」
 高校生としては、モーターホームで暮らしながら、学校から送られてくる課題に取り組んだり、授業映像を見て学習したり。今年8月初旬、日本に戻ってからは、大好きなショッピングやディズニーランドに足を運んで、久々の休日をほんの少し、楽しんだらしい。
「同年代の女の子のインスタとかで、友達と遊びに行ったりする姿を見て、いいな、と思うときもあるんですけど。でも自分が一番好きなことを中心に生活できているのは、すごく恵まれていると思うので。それを考えたら、まあ、遊べなくてもいいかな、と(笑)」
 食べ物で好きなのは日本食、とりわけ、お寿司。地元岡山のフルーツが大好きだ。時間に余裕があるときは、クッキーやケーキを作るのが好き、という一面も。
 で、好きな男の子のタイプは?
「えー、難しい! でも、日本に戻ってきて思ったのは、肌の白い男の子が多いな、と。なんか、陽に灼けているほうがカッコいいのになって思うんですけど、でもこれは、個人の感想です(笑)」
 インタビューの間中、Jujuチームの総監督である父・英樹さんとマネジャー役の母・雅恵さんは、遠く離れた場所から静かに話を聞いていた。ヨーロッパ各地を転々としながらモーターホームで一緒に暮らしている弟クンも、大人しくゲームに興じている。がっちりとサポートしながら、口出しはしない。なんか、すごく良い家族。このファミリーチーム、最強だ!

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Juju公式HP(インスタ等SNS情報あり)→https://juju10.com/

  • 出演 :野田樹潤 のだ じゅじゅ

    レーシングドライバー。2006年2月2日生まれ、東京都出身。F1ドライバーだった野田英樹氏の次女。3歳でキッズカートに乗り始め、4歳でレースデビュー。6歳からレーシングカートの上位クラスで多くの優勝タイトルを獲得。2017年、11歳で本格的にフォーミュラカーのレースに出場することとなり、『フォーミュラU17チャレンジカップ』(F4相当)に初参戦。2018年から同シリーズのF3マシンクラスに転向し、2019年まで出場したレース11戦をすべて優勝で飾った。14歳からは欧州に拠点を移し、『デンマークF4選手権』に参戦。その後もコロナ禍の中、欧米各地で転戦。2023年は3月のZinoX F2000開幕戦など数々の大会でタイトルを獲得。さらに国際F3規格の欧州F3選手権『ユーロフォーミュラ・オープン』に参戦。7月に行われた第4ラウンド、フランスのポール・リカールレース1で初勝利を収め、女性ドライバーとしては史上初めて同シリーズの優勝を飾った。
     

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    取材/文:岡本麻佑

    フリーライター歴30余年。女性誌、一般誌、新聞などで活動。俳優・タレント・アイドル・ミュージシャン・アーティスト・文化人から政治家まで幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。単行本、新書なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/