Jujuはご覧の通り、超スリム。身長170㎝と背は高いけど、アスリートとは思えない華奢な体型だ。
 レーシング・ドライバーといえば、過酷なスポーツ。超高速で車を運転しているとすごいGがかかって、それに耐えるのはかなりハード、という話を聞いたことがある。(ちなみにGというのは、簡単にいうと、コーナリング中の遠心力のこと。レーシングドライバーは体重の4~6倍の圧力を運転中に耐えているらしい)。
 だから今まで目にしていたドライバーって、首が太くてずんぐりしたオッサン体型の人が多かった。その中で、このスリムな彼女が、どうやって優勝しちゃうの?
「なんでその体で走れているのか、わからないって、よく言われます(笑)。でも実際にレースやっていると、私より何倍も体が大きい男の子のほうが体力を消耗している。車から降りると他のドライバーは地面に座り込んで、キツそうな顔しているんですけど、私はそれほどでもないんです」
 なにか、ズルしてる?
「していません(笑)。Gももちろん、すごくかかります。あと、レースのことをあまりよく知らない人は、一般的な車と同じに考えて、アクセル踏んでブレーキ踏むだけでしょ? って言いますけど、実際には、ブレーキを踏むのに片足で100キロ以上、負荷がかかるんです。あとステアリングも、一般車と違ってアシストがついていないので、すごく重い。ダウンフォースもあるので、半端じゃない。もちろんGがかかるので首も使いますし、体幹も必要ですし、片足で100キロのブレーキを踏むとなると、足の力だけじゃ足りないので、腰も背筋も使います。ステアリングのためには腕の筋肉も。なので本当に、全身の筋肉を使うんです」
 でもほら、そんなにスリム。
「一番は、私はレースしているときに、他のドライバーより、よけいなエネルギーを使ってないのかな、って思います。3歳からレースしてますけど、3歳のときっていうのは、Gに耐える力もない。だから耐えることより、車に身を任せて、速くなったら速くなったなりに、車に合わせて、無理な抵抗をせずに、どうしたら力を使わずに車をコントロールできるかっていうことを、頭じゃなくて体が覚えてくれたのかな、と。時速200キロくらいでコーナーにはいっていくと、勝手に体が強ばったり、緊張して力が入ったりする、と、言われているんですけど、私は緊張せずにリラックスして乗れる。それが一番大きいのかな、と思います。ちゃんと調べたわけじゃないので、この説明が合っているかどうか、わかりませんけど(笑)」
 なんか、小柄で弱々しい合気道の達人が、筋肉モリモリの格闘技ファイターと戦って、軽―く勝ってしまうようなイメージ。動きのツボをマスターしていると、腕力がなくても相手をねじ伏せることができる、そんな勝ち方? 柔よく剛を制すって、こういうこと?
 そしてそれ以前に、レースって男女混合だったのね! 年齢も性別も関係なく、実力が認められれば、出場できる。まわりは男だらけのレース、が、当たり前。
「ヘルメット被ったら、女の子も男の子も関係ないって、私は思っているので」
 セクハラ、パワハラ、ありそうだけど。
「向こうも女の子に負けたくないので、必死ですよね。こっちは別に、気にしていないんですけど。向こうからしたらやっぱり、女の子に負けるのは悔しいだろうし。でも、レース中に何かされたりしたら、胸ぐらつかむ勢いで怒鳴りに行きます。けど、それをやるよりも、やっぱ私がレースで勝つほうが、彼らにはダメージ大きいと思うので。はたから見ても、そのほうがカッコいいかなって(笑)」
 YES! カッコいいぜ!

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