モデル養成所で学んだことは、ウォーキングやポージング、メイクのテクニックなどさまざま。その中で思いがけず役にたったのが、弓道の経験だったという。
「モデルのウォーキングレッスンを始めたときに、体幹を使うと教えられて『あ、弓道でやってきたことと同じだ』と思いました。中学の弓道部では最初の半年間はとにかく筋肉トレーニングとプランク、体力作りのランニングばかりで、弓に触らせてももらえなかったんです。基本、ですよね。そこが体でわかっていたから、ウォーキングのレッスンもなんとなく、理解が早かったんじゃないかと思います」
 弓道にしてもモデルにしても、杉原朱音がきちんとカリキュラムを制覇できた理由が、実はもうひとつある。ノート作りだ。
「中学の頃からずっと、弓道ノートをつけていました。毎日練習するごとに、中った数をマルバツでつけたりとか、最近は右側に寄ってしまうからちょっと押しを強くしてみようとか、傾向と対策ですね(笑)。そういうのをメモっておいて、次の練習の前に確認する、みたいな」
 同様のことを、モデル修行でも続けていた。
「弓道のときの経験を生かして、ですね。今日はこんなことを学んだって、東京から愛知に戻る新幹線とかバスの中で、必ず書き留めていました」
 練習と反復。これ、続けるのは難しいけど、効果は抜群。
「私が全然、もともと天才肌じゃないって自分でわかっているから。努力するしか私はできない、何事も、勉強も。だから着実に、1個1個やっていくしかないんです」