今週のYEOのヒロインは、上原実矩。2回目の登場だ。前回は2016年7月25日~29日、彼女が18歳、高校3年生の夏だった。
 子役として活動した後、15歳で映画に出演し、女優という仕事の面白さに目覚めた。この前年、オーディションで獲得したふたつの映画に出演し、ギャップのあるふたつの役を好演。注目を集めて、さあ、これから、というタイミング。
 あれから6年、どう過ごしてきたか、というと。
「そうですね、18、19歳の頃は、大人になりきれていない感じで。ハタチになったらなったで、まだちょっとフワフワしていたりして、どうなんですかね。今しっかりしているかというと、なんとも、ですけど、なんかやっと、もうひとつ、なんていうか、もう一歩進む段階、じゃないですけど、数字の区切りじゃなくて、自分の気持ち的に、そういう段階にいるのは、ちょっと感じている時期、ではあります」
 YEOにもう一度出てみようと思ったのは、主宰のカメラマン、萩庭氏の助言による。
 実は彼女、現在主演映画の熱烈プロモーション中なのだ。9月末に公開される映画『ミューズは溺れない』に、長編映画初主演。2年前に撮影された本作は、コロナ禍の影響で完成までに時間がかかったものの、第22回TAMA NEW WAVEグランプリでベスト女優賞、第15回田辺・弁慶映画祭ではグランプリを含む4冠に輝くほどの快進撃。
 もともと〝あまり人と会うのがそんなに得意じゃない〟という上原実矩だけど、自身が通った幼稚園、小学校、中学校、高校の恩師に会いに行き、映画のチラシを持参して、『観に来て下さい』とご挨拶したのだとか。
 さらに萩庭氏にも同様に挨拶に来て、そのときに。
「いろいろお話したんです。この映画の撮影で大変だったこととか、取材のときに、インタビューでなかなかちゃんとお話できなくてマネジャーに怒られたこととか、主演した映画を宣伝することの責任だったりとか、いろいろ聞いてくださって。で、それをお伝えしたときに、『じゃあこのタイミングでもう一回YEOに出てみたら?』って、言ってくださったので、急遽、こうして」
 というわけで、インタビューが苦手な上原実矩が、初登場から6年後の今、いったいどんな話をしてくれるのか。金曜日まで連日更新しながら、じっくり話を聞いてみた。ちょっと実験的な、というか、実録インタビュー的な記事になるのかも。

  • 出演 :上原実矩  うえはら みく

    1998年11月4日生まれ。東京都出身。小学2年から子役として活動。2010年映画『君に届け』で主人公の少女期を演じた。2013年TVドラマ『放課後グルーヴ』に出演。2015年映画『暗殺教室』『ガールズステップ』で好演。2019年沖縄国際映画祭出品作『この街と私』で初主演。この秋公開される映画『ミューズは溺れない』で長編映画初主演。同作は、第22回TAMA NEW WAVEグランプリ/ベスト女優賞(上原実矩)、第15回田辺・弁慶映画祭でグランプリを含む4つの賞を受けた。

    ヒラタ オフィス/https://www.hirata-office.jp/talent_profile/woman/miku_uehara.html

    『ミューズは溺れない』
    高校の美術部に所属する朔子(上原実矩)は「溺れる朔子」の絵を描いた部員仲間の西原(若杉凩)の画才を目撃して絵を断念。その西原からモデル指名されたことに、複雑な思いを抱える。父子家庭で育った朔子は、父の再婚と義母の妊娠に戸惑うも、自分の気持ちを伝えられない。自分は何者で、どこに行こうとしているのか。朔子の高校3年生の夏が、過ぎていく。
    出演 上原実矩・若杉凩・森田想ほか
    テアトル新宿 9月30日(金)~10月6日(木) シネ・リーブル梅田10月14日(金)15日(土)〈田辺・弁慶セレクション2022〉

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    取材/文:岡本麻佑

    フリーライター歴30余年。女性誌、一般誌、新聞などで活動。俳優・タレント・アイドル・ミュージシャン・アーティスト・文化人から政治家まで幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。単行本、新書なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/