松岡真瑚は、20代半ばで一般企業に転職。潔くモデルの仕事を辞めた。
「もともとお洋服が大好きで、16歳から『レモン』という雑誌のモデルを始めました。プチセブンのモデルになったのは18歳のとき。そこから4年くらい、21歳までお世話になりました」

 プチセブンが廃刊になってからも、しばらくモデルを続けていたものの。

「少し方向性が変わってしまって、ファッションに関わるお仕事が減ってしまったんです。好きなお洋服をたくさん着られるのが楽しみでモデルをしていたので。結婚を機に、ここは1回モデルを辞めて、好きなことを仕事にしようと思いました」
 
 25歳でアパレル会社に就職し、接客販売の仕事についた。

「アパレルの仕事って、1週間で商品が更新されて売り場がガラッと変わるんです。飽き性の私には、それが楽しくてピッタリでした。お客様のニーズに寄り添って接客をするのも好きでした。モデル時代にスタイリストさんの様子をよく見ていたので、トータル・コーディネイトを提案するのも得意だったと思います。経験が活きましたね」
 
 とはいえ、違う世界に飛びこんだ彼女にとって、予想外の展開も。

「社会に揉まれましたね!(笑) モデルって、やっぱり甘やかされている部分もあったのかもしれません。とりわけプチセブンは、みんなとても仲が良くて和気あいあい。本当に部活動感覚でした。

編集部も、年齢や経歴に関係無く、一人一人の個性を大切に引き出してくれる、そんな温かい場所でしたから。一般企業に入って、その時初めて、社会ってこうなんだ、って思いました。妬んで足を引っ張る人がいたり、業績一つで扱いも全く違いました……。ああ、世の中って本当はこういう世界なんだ、と現実を知って怖くなりましたね」

 販売の現場にも、いろいろな人がいた。

「中にはクレーマーみたいな方も沢山いらっしゃいました。お客様のご自宅まで謝罪に伺ったこともありますし。本当にいろいろ、勉強させていただきました」

 24歳で結婚、出産後も子育てしながら販売の仕事を続けた。子どもが小学校に上がるタイミングで仕事から離れ、今現在は専業主婦。

「毎日スーパーと、習い事の送迎に追われてます(笑)」

 そして今、将来に向けて、明確なヴィジョンがある。

「カラースタイルコンサルタントです。4月からスクールに通って、パーソナルカラーリスト、パーソナルスタイリスト、カラーセラピストの資格取得を目指します。今までの接客スキルも生かして、一般の方を対象に、体型や雰囲気、暮らしに合ったスタイルを提案しようと思っています。数年前にそういう仕事があると知り、まさしくこれが私のやりたいことだ、と。子育てもひと段落しそうなので、自分が”ワクワクする事”にこれからはどんどん挑戦して行こうと思っています」