昨日の写真を見ていると、キレイ系とかカワイイ系とか色っぽ系とか、女性の美しさも7人7色。きっと20年前、プチセブンの読者たちは、自分と似ているモデルを探して、自分の好きなモデルを決めて、まねっこしたんだろうな。
 その中でも今日のヒロイン、榎本侑姫には、ちょっと際だった個性がある。
 14歳から17歳までプチセブンで活躍した後、彼女の主戦場となったのは、
「アオモジ系、でした」
 プチセブンの廃刊が2002年、その頃から20代女性に大きくアピールしていたのが〝モテ〟〝愛され〟〝好感度重視〟のコンサバファッション。そういう流行を中心に展開していた女性誌は、表紙タイトルに赤系統の色を使うことが多かったので、赤文字系。
 当然、そっちじゃないファッションを求める女性も多くて、異性にウケるより自分の好みを優先する、個性的でクリエイティブ志向、モード系のファッションを打ち出すファッション誌も登場した。それらはタイトルを青系統の色で表示することが多かったので、青文字系。榎本侑姫にはどうやら、こっちのファッションがピタッときたらしい。うん、わかる気がする。
「プチセブンの時代は、大人っぽいってよく言われました。モデルとしてどうよって思うんですけど、笑うよりクールに決めるほうが得意です。ビッグスマイルが流行っていた頃は、ちょっと悩みました。どうしよう、そんなに笑えないって(笑)」
 アオモジ時代を過ぎてからも、榎本侑姫を求める媒体は途切れない。雑誌だけでなく、WEB通販など、デビューから25年を数える今も、活躍中だ。
「30代に入ったら徐々に仕事が減るのかと思っていたら、意外とそうでもなくて、ここまでやってこれたんです。まだまだお仕事いただけているので。でもまあこの先、モデルだけっていうのはたぶん厳しいと思うので、なにか手に職つけるとか学校に行くとか、何をするべきか模索中です」
 そんな彼女がたまの休日、何をしているか、というと。
「多肉植物を眺めています。昨日よりどんだけ成長したかなって」
きた、多肉! 最近ちょっと、気になっていたんだよね。
「2年くらい前、母からひと株わけてもらって、それを育てていたんです。他にどんなのがあるんだろうと思ってお花屋さんみたいな植物園みたいなところに行ったら、すごいカワイイのがいっぱいあって。4個くらい買って育てていたらどんどん増えて、鉢も増えて、今10種類くらいになって、育てるのすごく楽しいです。葉っぱが取れちゃったりしたら、それを土の上に置いておくと、またそこから生えるんですよ。私、観葉植物は枯らしてしまったことあるんですけど、多肉は、逆にあまり水をあげなくていいんです。葉っぱがちょっとシワシワになってきたらあげればいいから、わかりやすいんです。枯らしたこと、ないです。太陽と風通しは大事ですけど、それさえ守れば、大丈夫です」
 それまで淡々と、クールな表情だったけど、多肉のことになると、テンション、あがった。
 花屋さんに行けばキレイなお花はたくさんある、けれど、多肉植物に惹かれる気持ち、よくわかる。静かにひっそり、だけど孤高に生きて、よーく見ると、かわいくて。
「私、人生にこれといって起伏もなかったし、独身だし、仕事を変えたことないし、平坦に、マイペースに生きてきました。悩みもないし。悩んでも寝たらすぐに忘れるし(笑)。ですから私の記事、書くこと無かったら3行でいいです」
 いえいえ、結婚や出産だけが生きてる証ってわけではないし、転職しないのは天職だったってことだし。マイペース上等!
「でも、多肉は、ぜひ!」
 はい、見に行きます!

榎本侑姫https://www.flos.ne.jp/models/yuki-enomoto/