ここで、ちょっと話を巻き戻す。
 ミュージカルに目覚めた後、大倉杏菜は何度かニューヨークに渡り、シアターダンスなどのレッスンを受けながら、ブロードウェイのミュージカルを堪能し、さらにはミュージカルスターのアムラとも親交を深めた。どこからそんな資金を得ていたのか? というと。
「兄に相談したら、ポンと100万、貸してくれたんです。本当に感謝です。もちろんその後、少しずつ返して、先日完済しましたけど。あと、カフェのバイトもしていました。向こうのカフェに行って、『ハイ、アイム バリスタ!』って自信満々に売り込んで。たまたまそこのオーナーの奧さんが日本人で、面白いからって雇ってくれて。チップとかそのくらいの稼ぎですけど。次からはエアチケット代さえあれば、向こうでバイトしたり、ダンスの先生のウチに泊めてもらったりできるので」
 彼女の兄は、モデルやタレント、俳優として活躍している大倉士門。雑誌モデルとして読者の圧倒的支持を集めた、カリスマモデルだ。彼のインスタグラムには、杏菜も何度か登場している。
 そして今回、士門と杏菜の弟、亞門もYEOに登場してくれた。亞門は現在、都内の広告代理店に勤務。3人とも東京で暮らしていて、時々集まっては一緒にご飯を食べるくらい、仲が良いらしい。
 士門のインスタでは、杏菜はこんな言葉で紹介されている。『まるで弟みたいな妹』と。たしかに、彼女は1度ならず2度までも、『兵士役男性募集』のオーディションを突破。熱意と情熱と物怖じしないキャラクターを認められて、現場に受け入れられてきた。今のそのショートヘアは『ジャンヌダルク』の兵士役に応募したときにバッサリ髪を切って以来、ずっと気に入っているスタイルだという。
「『やっちゃえ!』っていう精神がすごい強くて、よく言うじゃないですか、〝やらずに後悔するくらいなら、やってから後悔しろ〟って、あれです。ぐずぐず悩んだり迷ったりしているくらいなら、〝やってみないとわからないじゃん!〟っていうマインドで全部、突っ走ってきました。そんな私を見て呆れる人も多かったし、迷惑をかけたこともいっぱいあると思います。そうやって私に関わってくれた人たちが、私にいろいろなことを教えてくれて、励ましてくれて、そして導いてくれました。出会った人ひとりひとりに生かされて、今の私があるんだなって、感謝しかありません」