「カメレオン、かなぁ」
 今週のYEO、インタビューを先に終えて、月曜日から金曜日の写真をどう撮ろうか、萩庭氏と打ち合わせをしているときに、藤堂日向が最初に口にしたのが、この言葉だった。実際の撮影がどうなったのか、それはこれからのお楽しみ。だけど、彼が今の自分をどう表現したいのか、は、その言葉に集約されている。
 目指しているのはカメレオンのように、その映画、舞台、映像に溶け込み、その架空の場所に生きているかのように存在できる役者だ。まだまだキャリアは浅いけれど、今まで全力でぶつかってきた仕事には、その片鱗が見えている。
「小学校6年生のときに、俳優ってカッコいいなと思ったんです。『デスノート』という映画を見て、主演の藤原竜也さんの印象が鮮烈でした。それまでドラマや映画をたくさん見ていたけど、その時初めて、役者ってこんなにカッコいいんだって、憧れの念を抱き始めました」
 彼の子供時代は、波乱に満ちている。
小学生時代は本人曰く、『激しめのADHD(多動性症候群)』。
「授業中に教室の中を歩き回ったり、鉛筆の先で自分のこと傷付けたり、していたと思うんですけど、自分ではあまり憶えていないんです。記憶にあるのは、毎日すごく苦しかったということだけ。でも一部のお母さん方が、まわりの子たちに迷惑かけるからって、僕を追い出そうと画策したらしくて」
 そこで彼の両親は、思いきって江ノ島へ転居。これが大正解だった。
「すごく落ち着きました。ADHDは消えちゃって、海が近いからサーフィン始めて、アコースティックギターも習い始めて、それまで人が苦手だったのに、友だちもできるようになりました。海があると、マインドが安定するんです。今もそうですね。砂浜と海と空が、安定剤みたいなもので」
 ところが中学校に進むと入学早々、今度は激しいイジメに遭った。ほとんど登校しないまま、地元のヤンキー仲間とつるむ毎日。やがて中学3年生になり。
「このままじゃマズイ、と思ったんです。で、当時所属していたグループのボスに、『俳優になりたいから、グループ抜けます』って言いに行った。ボコボコにされるかと思ったら、泣きそうな顔して『そうか、がんばれ!』って励ましてくれたんです」
 高校に進学してからは、遅れを取り戻すために塾通い。英語と国語を集中的に勉強して、軌道修正したという。さらに、将来ハリウッドに行くという夢を実現するため、英語教育に強い大学に進学した。
 けれど、俳優への道はまだまだ遠く・・・・。

  • 出演 :藤堂日向 とうどう ひなた

    1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。

    株式会社アプレ/https://apres.jp/players/todohinata.html

    ヘアメイク:小菅 孝 

    ホームページ/http://takashikosuge.com/takashikosuge/top.html

    衣装協力 JUMPIN’ JAP FLASH
    HP/https://jumpinjapflash.com/

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/