あれやこれやで閉塞感いっぱいの昨今、今週のYEOのヒロインは、女優の佐藤乃莉。ご覧のとおり、エキゾチックな美女だ。インタビューで、彼女のこれまでとこれからの話を聞いていたら、ビックリしたり笑ったり、なんだか妙に元気が出てきた。
 今がどんなに暗くても、先が見えなくても、明けない夜はない。今のこの状況はきっといつか〝あの時は大変だったね〟の笑い話になる。そんな気分にしてくれるステキな話を、今週は金曜日まで連日更新。
 まずは佐藤乃莉が、いかにして女優になったか、の話から。
「小さい頃から、テレビに出る人になりたいなって、ずっと思っていたんです。鏡の前で、何役も演じてひとり遊びをしていました。私が育ったのはマンガとか本がたくさんある家で、それを片っ端から読んでいたので、自分で勝手にオリジナルのストーリーを作って、自分で台詞考えて、魔女になりきって熱演していたり(笑)」
 そして彼女、ちょっと風変わりな子どもだったらしい。
「ほぼ学校に行ってないです。不良とかでもなんでもないけれど、学校に行く理由が見つからなくて。〝なんでみんな、学校に行ってるんだろう?〟 〝なんで勉強しなきゃいけないんだろう?〟と思ったときに、学校に行って勉強しなきゃいけない理由を教えてくれる大人が、あまりいなかったので。とはいえ、義務教育なので必要な出席日数ぎりぎり、学校に足を運びましたけど、行っても図書館でずっと本を読んでいたり、絵を描いていたり。給食の時だけ、友だちが呼びに来てくれて、みんなと食べていました」
 で、高校にも行ったけれど。
「勉強の仕方がわからないので、追試になっても、追試でも赤点をとるという(笑)。でも私、先生に直談判して、私はこういう気持ちで学校に来ているので、と力説して、ネゴシエイションして、ぎりぎり単位をもらいました」
 高校3年のとき、地元新潟でファッションショーのモデルにスカウトされ、コンテストも兼ねていたその場で、グランプリを獲得。その瞬間、心の中で〝よし、女優を目指そう!〟と決意を固めたという。とはいえ、この時点で彼女は、まだ何者でもない。
「まずは地元で活動を始めました。地元でやれない人間が、都会に出てやっていけるはずないな、と思ったんです。自分でブックを作って、出版社やテレビ局を回って売り込みました。するとモデルの仕事やキャスターの仕事が次々決まって、コマーシャルにも出たり。なんか、アグレッシブでした、あのときは。経験なんて無かったけれど、若いから勢いで、できたのかな。小さい頃から鏡の前で練習していたのが、役に立ったのかもしれません(笑)」
 そんな佐藤乃莉が、数年後にはハリウッドで、という話は、明日に続く!

  • 出演 :佐藤乃莉 さとう のり

    1984年6月7日生まれ。新潟県出身。映画『LOVE DEATH―ラブデスー』(2007)で主演デビュー。2作目『ミッドナイト・ミートトレイン』でハリウッド・デビュー。ロスアンジェルスで4年間、語学とアクションを学んだ後、帰国。最近の出演作に映画『月光』(2016)、テレビドラマ『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』など。『カメラのキタムラ』TVCMにも出演中。

    ASIA PROMOTION/ http://asiapro.co.jp/profile/nori_sato/

    『Hakoniwa』製作応援プロジェクト/https://camp-fire.jp/projects/235492/backers

    Instagram/ https://www.instagram.com/nori_sato_/?hl=ja

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/