話は前後するけれど、髙橋貢が上京してきた約40年前、衝撃を受けた言葉があった。
「ヘア&メイクの事務所でマネジャーさんに、こう言われました。『あんたね、オネエで生まれてきたんだから、感性豊か、神経細やか、よく気が効いて当たり前なんだからね。それが出来なかったら、とっとと京都に帰りなさい!』って。『ひぇぇぇ! コワい!』って思うと同時に、『ああ、そういう世界なんだ』って。ゲイであることを別に隠す必要もないし、それも含めてのこの世界。でも僕は、それを売り物にはしたくなかった。しませんでした。ゲイであることをオープンにして有名になるより、ヘア&メイクの仕事をとことん究めて、その上で、僕は歌を歌うことを選んだんです」
 そして、今。彼は自分のメイクブックの制作に取りかかっている。長年、女優たちに支持されてきたMITSUGUマジック、透明感のある肌、気品があって華やかで、ナチュラルなメイクの極意を、本にまとめるつもりだという。
「最近、一般の人をキレイにしたいという強い思いが出てきたんです。ウェディングもそうですし、ふだんの化粧もそうですし、遺影もそうですし(笑)。『私の化粧って、これでいいのかしら?』と思っている人、多いですよね。その人たちに向けて、これからはいろいろ発信していきたい。グループレッスンとかセミナーとか」
 もちろん髙橋のライブに行けば、そこでもヘア&メイクの話がたっぷり、実践アドバイスも見せてくれる。そういえば、今月21日のYEOのパーティでも、髙橋貢の歌とヘアメイクアドバイスが、見られるのかも?
「えー! 僕、実は、人前に立つの苦手なんですよー。打ちあげとかパーティとか、逃げ出したいタイプなんです。『だったらなんでライブするの?』って言われますけど、スイッチ入れないと表に出られない。けど、はい、頑張ります!(笑)」

撮影協力:カワイ表参道

  • 出演 :髙橋貢 たかはし みつぐ

    1960年10月11日、京都生まれ。京都美容専門学校卒業後、約6年間美容室勤務。ヘア&メイクアップアーティストになるために上京し、1年後、新井克英氏のアシスタントに。1年3ヶ月後、今井美樹さんの初の全国コンサートの仕事を機に、フリーランスとして活動を開始。CF広告を中心にテレビ・雑誌など多方面で活躍。数多くの女優・タレントから絶大な支持を得ている。

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/