もう40年以上前に引退したというのに、〈アイドル 麻丘めぐみ〉の認知度は高い。過去の音源へのニーズも、異様に高いという。
「最近、特に若い世代の人たちが、YouTubeで見てくれているらしいです。『YouTubeを見てファンになりました!』って言って下さる方も多くて、30代の方からファンレターが届いたり。長い間メインは俳優業でしたけれど、麻丘めぐみという人間を知っていただいたそもそものきっかけは歌ですし、そこは私の原点なので、今この年齢で歌の世界に戻ってこられるのは、とてもありがたいです。一応、定期的にヴォイストレーニングは受けていたんですよ。『わたしの彼は左きき』が歌えなくなってしまったらオシマイだとずっと思っていたので、発売当時のキーのまま、今でもちゃんと歌えます」
 73年、つまり47年前に発売された『わたしの彼は左きき』は、麻丘めぐみの代表曲。今聴いてもキュンキュンくる、昭和の時代の名作だ。
「ただやっぱり、18歳の私のために作られた曲なので、そのニュアンスを出すのが今の私にはちょっと難しいです。私の中に残っている、先代の麻丘めぐみを引っ張り出しながら、歌わないと(笑)」
 そして現在の麻丘めぐみのために作られたのが、今回の新曲『フォーエバー・スマイル』。人生の雨風に打たれて、ちょっと疲れたけれどまだまだ元気、よーし、もう一回歩きだそう、という気持ちがこもった、素敵な歌だ。これからしばらくは新曲をひっさげ、あちこちで頑張るつもり。
「風邪のとき偶然、ウチの近所に良いクリニックを見つけたので、そこで体調をサポートしてもらっているので、安心です。自分が今どういう身体の状態か、ちゃんとわかっていないと、お仕事できませんから。ちょっとしんどいときに駆け込むと、ドクターや看護師さんが面倒を見てくれるので、帰る頃にはすごく元気になっているんです」
 いろんな人の手を借りて、いろんな人に助けてもらいながら、笑顔で生きること。それができる彼女だからこそ、いろんな人を笑顔にしたり、いろんな人を元気にする歌が歌える。やっぱり今でも、麻丘めぐみはアイドルなのだ。

撮影協力:初台あらいクリニック

  • 出演 :麻丘めぐみ  あさおか めぐみ

    1955年生まれ、大分県生まれ、大阪育ち。3歳で子役として芸能活動を開始。66年に上京し、中学時代にモデルとして少女向けの雑誌で活躍。72年、16歳のとき『芽ばえ』で歌手デビュー。日本レコード大賞最優秀新人賞受賞。その後もヒットを連発し、73年5枚目のシングル『わたしの彼は左きき』が大ヒット。日本レコード大賞大衆賞を受賞、紅白歌合戦にも初出場を果たし、70年代を代表するアイドルのひとりとなった。77年、21歳で結婚と同時に引退。一女の母となった後、27歳で離婚。芸能界に復帰し、女優として舞台、テレビドラマ、映画などに出演。2020年、29年ぶりに新曲『フォーエバー・スマイル』を発表。初の自選ベストアルバム(2枚組)CD『Premium BEST』が1月29日リリースされる。

    衣装協力:Do Classe

    ヘア・メイク:小林あすか

    スタイリスト : 座光寺美紀

  • オフィシャルサイト(インスタグラム情報あり)

    http://www.geibun.co.jp/asaoka.html

  • 【新曲情報】 
    『フォーエバー・スマイル』https://www.youtube.com/watch?v=SzXz88f2N10

    『Premium BEST』https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A000273.html

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
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  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/