3 パリのバス
麻丘めぐみ
- Magazine ID: 3962
- Posted: 2020.01.15
バスに乗るのも、大好き。
「どこに行くのも、電車に乗ればすぐでしょ? でも私は必ずバスで行きます。路線図を見て、バスを乗り継いで行くこともあります。ああ、こんなところに新しいビルが建ったんだ、とか、景色を見ながら移動するのがすごく楽しい。あ、パリでも私、バスによく乗るんですよ!」
ひとり娘のひとみさんは今、パリの美術館の研究室で研究者として働きながら、ひとみこぱんというアーティスト名で水彩画家として活動中。フランスに留学の後、現在もパリで活躍している。年に1度は麻丘も、パリに足を運ぶという。
「海外に行くと私、ものすごい元気になるんです。私は日本が大好きだし、日本のご飯が一番おいしいし、日本でしか暮らせないと思っているけど、だからこそ、海外で違う空気感とか人とか文化とか歴史を感じると、テンションが上がるんです。ずうっと日本で同じ日常の中にいると、なんかこじんまり、ちんまり、クヨクヨしてしまいがち。それが海外に出ると、そういうこと全部ひっくるめて、ああ、もういいやって思えちゃう(笑)。
パリでは、言葉なんかわかりませんけど、バスには番号がついているから乗れますし、なんとなく地名の字面で判断して、ここだ、と思うとピッと押して降りる。そして歩くんです。それがすごく楽しい。スニーカーでガンガン歩き回って、だから夜はワインなんか飲んでる場合じゃない。ご飯食べたらすぐベッドで、パタンと寝ちゃいます(笑)」