「てのひらアートのきっかけは、ママ友なんです。今、7歳と4歳になる子どもがいるんですけど、子どもが小さい頃に母子でバレエ教室に通っていました。その教室の先生が海外に行くことになって、このクラスはなくなります、ということになったんですね。そこで、記念に先生に何かを贈ろう、ということになりまして。ママ友が〝みゆきちゃん、何か素敵な寄せ書き作ってよ〟って」
 そこで思いついたのが、子どもたちの手をモチーフにする寄せ書き。バレエから連想して、子どもたちの手のひらでスワンの絵を完成させた。メッセージを添えて贈ったら、先生は大喜び。
「ママたちもみんな、それを見てすごく喜んでくれたんです。私は私で、それがすっごく、うれしかった。そんな、私のセンスで作ったものがこんなに喜んでもらえるなんて、想像もしていなかったので、思いがけなくて」
 次は仲間のパーティにて。パーティルームを借り、大人から子どもまで、集まった人みんなの手のひらをスタンプして作ったら、今度もまた大受けに受けた。
「うれしい、そういうことができるんだ、私!って(笑)」
 さらに次は、イベントブースに進出。
「みんながアクセサリーとか手作りしたものを売るイベントでした。そこで私は、カードくらいの大きさの紙に手形や足形を押してもらって、そこに絵を描き足すことにしたんです。子どもと一緒にその手形を見て、『何に見える?』『何が好き?』って聞いて、『コウモリ』って答えた子にはコウモリに、『ウサギ』と答えた子にはウサギにしてあげるんです(笑)」
 手のひらから作り出す絵は、動物が多いという。ネットで検索するとサンプルとして出てくるオウムとかサルとかクモとか、かなりカワイイ。
「生まれた干支や好きな生き物、カワイイ動物にすることが多いですね。親子で来た方には、大人と子どもの手形を組み合わせてファミリー版を作ることもあります。子どもの手形は、生まれたときとか誕生日とか、取ることもありますけど、パパやママの手形も一緒に取ることはあまりないので、喜んでもらえますね」
 と、ここまでは、センスが良くて器用なママなら、よくある話、かもしれない。でも板鼻美幸の活動は、ここからさらにスケールアップしていく!