取材は江辺香織の経営する、『Poolsalon503』にて。生後半年になろうとするベイビーも一緒だ。インタビュー中、赤ちゃんはずーっと熟睡。泣いたりぐずったりしない、優等生だ。
「お腹の中にいたときから何度もこのサロンに来ているので、この場に慣れているのかも。球がぶつかるときのカーン、という音を聞きながら成長してきたので、胎教になっているかもしれません(笑)」
 江辺自身も、父親がビリヤードの店を経営しており、その空気の中で育った。16歳のとき、大阪の街でスカウトされ、芸能界へ。アイドルやタレントは性格的に向いていない、だったら女優になろうと思ったところで、あるDVD作品のヒロインに大抜擢。江辺香織自身の特技を見せるシーンが必要になり、身近なところにある〈ビリヤード〉を制作サイドに提案したら、採用された。
 ビリヤード大会で優勝してトロフィーを手にする、そんなシーンを撮影するために、本格的にビリヤードをスタート。練習し始めたら、いつのまにか女優よりもビリヤードのほうが面白くなり、方向転換。たった3年でプロテストに合格し、史上最年少記録を打ち立てた。
 いろんな人、いろんな出来事、いろんな場面にぶつかって、方向を変えながらも、人生は進んで行くんだね。
「結婚してもしなくても、子どもがいてもいなくても、自分が幸せだと実感できれば、その時その瞬間が、その人にとっての幸せなんですよね。最近、そんなことを考えました。それでもやっぱり、仕事をバリバリされている女性の方とお目にかかると、とても刺激を受けて、自分が幸せボケしているんじゃないかって、ちょっと焦ります(笑)。出産で身体も変わりましたし、筋トレして、練習して、新技も増やしながら、シャキシャキ生きていこうと思っています(笑)」