昨日の記事のように『痩せたい』人もいるけれど、ボディビルといえば、やっぱりムキムキな筋肉。せっかくだから、そっちの話も聞いてみた。
「ボディビル競技は、孤独な闘いです。ひとり、もくもくとトレーニングに励むだけの、自分自身との闘いなんです。コンテストに出たときの勝ち負けは、そこまで自分がどうやって過ごしたか、だけなんですよ。運は関係ない、シビアな世界です」
 たとえば、この競技会にエントリーすると決めたら、どんな準備をするか、というと。
「まず大事なのは、準備に入る前の段階です。オンの時より、オフが大事。オフのときにもりもり食べて、いっぱい動いて、筋肉を育てておくんです、脂肪と一緒に。で、私の場合は、競技会に出る4ヶ月前から準備に入りました。トレーニングはそのまま続けて、食事だけ減らして、脂肪を削ぎ落として、筋肉をくっきり浮き立たせるんです。でも減量が始まるとどんどんパワーダウンしてしまうから、オフのときにいっぱいトレーニングしておく、それが大事です」 
 いったいどんな過激なトレーニングを?
「トレーニングの頻度は、ずっと同じです。ずっと同じルーティンです。私は現役の頃、週に5日はやっていました」
 でも筋トレは、1日やったら2日休まないと、筋肉が育たないって言いますよね?
「あ、それは部位を変えるから大丈夫です。この部位を今日鍛えたら、次の日は別のところを鍛えます。胸の日、脚の日、背中の日、肩の日、腕の日で、週に5日です(笑)。選手レベルになると、ひとつの部位を1時間くらいかけてみっちりやるので、ローテーションを組んで、全身鍛えていきます」
 そうやって鍛え上げた筋肉だからこそ、競技会では『デカイ!』『背中が鬼の顔!』『僧帽筋が叫んでる!』などなど、独特のかけ声が称賛のため息とともにかけられるのだ。
 努力した分だけ、身体は変わる。他のどんなジャンルよりも確実に、ボディビルは努力に応えてくれるスポーツだという。だから余計に、ハマる人はハマる。
「『痩せたい』と言って私のジムに来て下さった方がコンテストに目覚めて、1年後に競技会に出た方もいます。自分の身体を自分の思い通りに作れる、その面白さを、もっと皆さんに知って欲しいです」