#1 musiche diヨシマタリョウ
吉俣良
- Magazine ID: 3800
- Posted: 2018.11.26
作曲家の吉俣良さん、YEOには約5年ぶりの再登場だ。前回(2014年1月6日~10日)出てくれたとき、締めの言葉は〝国境を超えて、世界へ〟だった。
「まだまだ、自分の思うように実現してないんですけどね。でもこの前、ローマ・イタリア管弦楽団とやれたので、ちょっと光が射してきた」
〝やれた〟というのは2018年9月上旬、鹿児島・東京・つくばで開催されたコンサートのこと。来日していたローマ・イタリア管弦楽団のツアーの中で、吉俣良プロデュースによる特別公演が実現したのだ。吉俣の『篤姫』や『冷静と情熱のあいだ』『プライド』などをローマ・イタリア管弦楽団が演奏し、吉俣自らが指揮する場面もあった。それについては、また今週中のどこかで語ってもらうことにして。
「特に海外を意識しはじめたのは、イタリアに行った後です。イタリアの街を歩いていて、思ったんですよ。たとえばローマの街角にポスターが貼ってあって、そこに【musiche di Ryo Yoshimata】って書いてあったら快感だなって。英語の【music by Ryo Yoshimata】もいいけど、イタリア語もいいな、いや、そっちのほうがカッコイイのかなって(笑)。コンサートでもいいし、映画のポスターでもいい。パリだったらフランス語、それもいい。そんな想像してると、なんか、ワクワクするよね!」
一応、日本の音楽業界では大御所と言われているし、ビッグネームなんだけど。吉俣良はかなり気さくでパワフルで饒舌で、たまにシニカルで素敵なおじさま。仲良しの萩庭桂太が撮影しているということもあって、今までのいろんなこと、これからやりたいあれこれを、たっぷり話してくれた。
撮影場所も、意外なところ。吉俣が指定してきたのは、甲州街道と山手通りが交差する、初台の交差点。そう、上に高速が走っていて、角に牛丼の吉野家があるところ。
「曲を作っていて煮詰まると、なかなか出てこないんです、メロディが。で、運転してると、ふっと湧いてくるんですよ。そういうことが何度もあって、この交差点を通過するときに出てきた曲、5曲以上あると思います。だからここもある意味、僕の仕事場(笑)」
日本を代表する作曲家の口から、いったいどんな言葉が飛び出すのか、今週金曜日まで連日更新のYEOをお楽しみに!
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出演 :吉俣良 よしまた りょう
作曲家・編曲家・音楽プロデューサー。1959年鹿児島県生まれ。横浜市立大学在学中より本格的にプロとして音楽活動をスタート。84年から92年までロックバンド『リボルバー』のキーボードを担当。その後レコーディングミュージシャン、アレンジャーとしてさまざまなジャンルの音楽を手がけた。97年から数多くの民放ドラマのサウンドトラックを担当、『空から降る一億の星』(2002年)『Dr.コトー診療所』(2003年)『風のガーデン』(2008年)など人気ドラマの原動力となる一方、NHK朝の連続ドラマ『こころ』(2003年)の音楽を担当した。また『冷静と情熱のあいだ』(2001年)『バッテリー』(2007年)『四月は君の嘘』(2016年)『あのコの、トリコ。』(2018年)などの映画音楽も手がけている。とりわけNHK大河ドラマ『篤姫』(2008年)は評価が高く、オリジナルサウンドトラックとして異例のヒットを記録。2年後の2011年再び大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』に登板、好評を博した。さらに近年はアーティストのアレンジを担当するなど編曲家としても活動するほか、ソローアーティストとしての活躍も期待されている。
オフィシャルHP・http://www.yoshimataryo.com/
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取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/