垣内綾子と話していると、会話の中に何度も同じフレーズが出てくる。〝みんなをハッピーにしたい〟と。
「起業するときも、そのことが頭にありました。目元がちょっと変わるだけで私はとても幸せになれたけど、じゃあ日本から遠く離れた貧しい国の人でも、同じように目元が変わるだけで幸せになってくれるんだろうか？　って、自分の中にすごい疑問が生まれたんですよ。だからアフリカに住む友人に協力してもらって、私が実際にアフリカに足を運んで、ボランティアとして何人かのアフリカ在住の女の子にまつエクを体験してもらったんです。
　向こうの人は肌の色が黒いので、黒いまつげを付けてもあまり目立ちませんよね？　だからグリッターの、きらきらしたまつげをつけてあげました。すると、最初は〝不思議な？顔していた女の子が、鏡を見てすっごい喜んでくれたんです。〝うわーっ〟って。すごく喜んでくれてその笑顔を見たときに、〝この仕事は間違ってないな〟って思いました。自信をもってこの仕事に打ち込もうと、決めた。アフリカ体験は私に拍車をかけてくれました」
　そのとき芽生えた自信は今、さらに大きくなって、確信へと変わっている。
「こんなことがありました。ある時、結婚式前のお嬢さんとそのお母さまがふたりで来店したんです。お嬢さんはもちろん、結婚式に備えて。で、一緒に来たお母さまのほうは最初、〝私なんて〟って尻込みしていたんですけど････。おふたり揃ってまつエクを体験してくださって、まつエクで目元がはっきりしてメイク映えもするようになって、すっかり気にいって下さったみたいで。お母さまはその後も引き続き、ずーっと来て下さっています。どんどんキレイになって、オシャレも楽しまれるようになって。まるで見違えてしまうくらい」
「サロンまで田園風景の中を自転車をこいで来て下さる、70代の女性もいます。とても可愛い方で、まつげが減っていたのに、今こんなに増えて、それだけでうれしいのよ、と。いつも〝ありがとう〟って言って下さるんですよ！　そういう物語がたくさん作れればいいなって思います」
　まつエクは実は、30代以降の大人の女性にこそ、効果的なテクニックだという。年齢とともにまつげが減り、目ヂカラが落ちてしまった女性にこそ、試して欲しいとか。
「まつげ難民の方、いつでもいらして下さい！」