その日、武道館の観客席には、さまざまな年代のファンが集結していた。GLIM SPANKYには男女を問わず、年齢を問わず、実にさまざまなファンがついているのだ。
 レミちゃんカッコイイ、という女性ファンもいれば、亀本の骨太なギターリフがたまんない、というロックファンもいる。60年代、70年代のロックに洗礼を受け、今その後継者としてグリムを愛する、年季の入ったロックファンもいる。アニメやゲーム、ドラマや映画の主題歌でグリムを知り、ハマったファンもいるはずだ。そして特筆すべきは、どんな入り口から入ったにしろ、大人のファンが多いこと。
「みんな、年代物のストーンズTシャツとか着てきて、これ見よがしにステージ上の私たちにアピールしてきます。〝どうや!?〟って(笑)。もちろんすべての年齢層の方たちに来ていただきたい、それはもう絶対なんですけど、明らかに自分たちより年上の人たちがそうやって来てくださるのはありがたいです。だってその人達は昔からロックを聴いてきて、それぞれの人生を生きてきて、確固たる価値観ができあがっているわけですよね。そういう人たちが私たちのことを、これは認めていい、という枠の中に入れてくれているんですから」
 しかも、ファン同士仲が良いのも、グリムの特色。別に一緒に何かするわけじゃないけど、強烈な一体感がある。和気あいあい、一緒にグリムの演奏を楽しんでいる。この日の武道館にも、同じ音楽を好きな者同士、年齢も性別も超えて、一種の仲間意識が生まれていた。
「だったら、うれしいです! みんな仲間、というか、ロック友だちになれているのかな。そういう、互いの違いを認め合って友だちになれるのって、究極のLOVE&PIECEですよね!」

  • 出演 :GLIM SPANKY グリム・スパンキー

     松尾レミ(Vocal・Guitar)と亀本寬貴(Guitar)による男女2人組ロックユニット。2007年、当時通っていた長野県内の高校にて結成。2009年コンテスト『閃光ライオット』でFinalに進出。2014年6月ユニバーサルミュージックVirgin MusicVirginMusicより1stミニアルバム『焦燥』でメジャーデビュー。松尾レミがカバーしたジャニス・ジョップリンの『MOVE OVER』がCMで流れて大きな反響を呼び、注目を集めた。1960~70年代の本格的ロックとブルースをベースに骨太なロックを展開。ライブ活動を続ける一方、数多くの映画、ドラマに楽曲を提供し、CMでもカバー曲などを歌唱。松尾の独特の歌声と亀本の卓越したギター演奏は、幅広い年代のロックファンに支持されている。

    HP http://www.glimspanky.com/about/

    YEO ARCHIVE
    Part1 2015年2月16日~20日
    Part2 2015年7月20日~24日
    Part3 2016年5月9日~14日

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/