#5 切りひらく未来
図案師 古城里紗
- Magazine ID: 3524
- Posted: 2017.05.19
日本に戻って日本を見つめ直し、伊勢型紙と出逢った古城里紗。その経験は切り絵アーティストとしての彼女に、大きな成長をもたらしたようだ。
昨年創った作品『気配』は、長さ10㍍もの和紙に切り絵を施したもの。約3週間、屋外の木々にかけられて展示されたこの作品は、雨に打たれ風に吹かれ、蜘蛛の巣がかかり、自然と一体になりながら、まるで天女の羽衣のように美しかった。
「持ち帰って、シャワーを当てたら、汚れは全部落ちました。破れず裂けず、ぎゅっと絞ったらもとどおり、和紙ってすごいです。もう作品としては機能しないので、また攪拌して、紙を漉いて作品を創ります。再生できる、自然回帰する。破壊されても再生するところが、日本の知恵だし、文化なのだと思います」
切り絵アーティストであり、図案師でもあり。最近は『職人の手仕事に触れる・体感する』をテーマにワークショップなどを企画。さらに、染織の職人や工芸に関わるさまざまなプロたちと、次世代に伝統を繋ぐ『カタコトの会』も立ちあげた。
「最終的にどこに着地したいのか、ずっと考えています。今までは大人に向けてワークショップなどを開いてきたのですが、子ども達にも伝えていきたい。若い世代なら感性で受け止めてくれるし、彼らの感性を育むものだと思うので、子供の教育に取り込めないかと思っています。アートディレクターというポジションで、いろいろな子供のワークショップなりイベントを作っていきたいですね」
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出演 : 古城里紗 こじょう りさ
図案師 1981年盛岡生まれの東京育ち。1996年ボストン郊外に移住。2004年ニューヨークのSchool of Visual Artsを卒業。グラフィックデザイナーとして活動後、帰国。2010年三重県伊勢市に滞在し、伊勢型紙と出逢う。2011年頃から図案師として学び始め、活動を開始。2013年からは〝職人の手仕事に触れる体感をする〟ワークショップなどの企画運営を開始。2015年多様な伝統染織の職人とともにプロジェクトを立ちあげた。
ホームページ http://risakojo.com/イベント情報 : 第一回『カタコトの会』展 5/30-6/4
http://seiwa-net.jp/ap/NList02.dll/?No=NS015823&CL=800&CT=010&ctg=2bYEOからお知らせ:YEO専用アプリ
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取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/