古城里紗は、図案師。えーと、図案師って、何をする人?
「簡単にいうと〝着物の柄を作る人〟です。型友禅とか江戸小紋などの着物は、紙で作った型紙を使って染めます。柄の図案を作る職人が〈図案師〉で、その型を彫るのが〈型彫師〉、染めるのが〈染師〉。それぞれの役割をこなす職人がいて、初めて着物の生地、反物ができるんです」
 なるほど。そういう仕事があるって、初めて知りました。
「私も、数年前まで知りませんでした(笑)。私はもともと、ニューヨークでデザインの仕事をしていたんです。インドのアートやイスラミック・アート、あとアールヌーヴォーが大好きで、メトロポリタン美術館に入り浸っては、そういうアートに触れていました。でも日本に戻って、伊勢型紙のミクロな世界と出逢ったときに、それらの繊細なアートとすごくリンクしているような気がして、ショックを受けたんですよ。私自身、切り絵で創作も始めていたので、自分も着物の柄を創り出すことができないかと思ったんです」
 ドメスティックな着物の話かと思ったら、いきなりグローバルな展開。ぱっと見、おっとりとした美女だけど、芯はきっちり、強そうだ。
古城里紗、いったい何者? 
 今週のYEOは、この謎めいた美女のお話を金曜日まで連日更新。彼女が鋭いナイフで刻みつける、繊細で緻密な切り絵の世界に、迷い込んでしまうかも!

  • 出演 : 古城里紗 こじょう りさ

    図案師  1981年盛岡生まれの東京育ち。1996年ボストン郊外に移住。2004年ニューヨークのSchool of Visual Artsを卒業。グラフィックデザイナーとして活動後、帰国。2010年三重県伊勢市に滞在し、伊勢型紙と出逢う。2011年頃から図案師として学び始め、活動を開始。2013年からは〝職人の手仕事に触れる体感をする〟ワークショップなどの企画運営を開始。2015年多様な伝統染織の職人とともにプロジェクトを立ちあげた。 
    ホームページ http://risakojo.com/

    イベント情報 : 第一回『カタコトの会』展 5/30-6/4
    http://seiwa-net.jp/ap/NList02.dll/?No=NS015823&CL=800&CT=010&ctg=2b

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/