ジャンルを超えて活躍する田代万里生が次に挑戦するのは、さまざまな分野のトップを極めた男たちとの、超絶コラボレーション。ダンサーの大貫勇輔、人形作家であり、人形遣いでもあるホリ・ヒロシ、アコーディオン奏者の桑山哲也、三味線プレーヤーの浅野祥、そしてジャズ・ピアニストのクリヤ・マコト、計6人が集結する『Clementia(クレメンティア)~相受け入れること、寛容~』という舞台だ。

 第一幕は芝居仕立て。とはいえ、もちろん台詞はいつのまにか音になり、舞になり、入り乱れてのパフォーマンスに。そして第二幕では出演者それぞれの技が堪能できる、珠玉のライブ・ショーになるという。

「みなさんの個性がそれぞれ、想像以上に強烈です(笑)。それぞれの当たり前が、他の人にとっては全然当たり前じゃないので、すごい刺激になる。例えば先日もジャズピアノのクリヤさんが僕に、『ここ、スキャットで、あと適当にワード入れて歌って』と。でも普段クラシックやミュージカルをやっている僕は、そんなことやったことがない。そんな発想すらなかったんです。すると『え、できないの?』と言われて、ぐさっと(笑)。でもその〝ぐさっ〟は、良い意味なんです。〝じゃあやってみようかな〟って思わせてくれるんですから」

 まるで異種格闘技のようなステージだけど、そこはみんな、一流の男たち。きっと彩り豊かなひとときになるに違いない。自分の居場所を確かに持っている人、帰る場所がある人は、自由に旅ができるのだ。

「僕はピアノもちょっと弾かせていただく予定です。あと、自分では絶対に選曲しないような曲が今、候補に挙がってきています。どんなリクエストをされても、自分ならではの音楽に突き詰めていきたいですね」

  • 出演:田代万里生(たしろ まりお)

    1984年生まれ。ピアノ講師である母のもとで3歳からピアノを学び、7歳よりバイオリン、13歳よりトランペットを始め、15歳からテノール歌手の父より本格的に声楽を学ぶ。東京藝術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。在学中の2003年東京室内歌劇場公演オペラ『欲望という名の電車』で本格的にオペラ・デビュー。2009年『マルグリット』アルマン役でミュージカル・デビューを果たし、その後も数々の作品に出演。近年の主な出演作品に『エリザベート』『スウィーニー・トッド』『CHESS THE MUSICAL』『スリル・ミー』『ラブ・ネバー・ダイ』など。第39回菊田一夫賞受賞。12月20日『田代万里生 華麗なるクリスマスコンサート2016 with はいだしょうこ』開催予定。

    公演情報

    Clementia(クレメンティア)~相受け入れること、寛容~

    『クレメンティア』は、「音楽×演劇×ダンス」一流アーティストたちが本気で遊ぶ、新感覚ショー!。第3弾となる今回は、田代万里生(テノール、ピアノ)、大貫勇輔(ダンサー)、ホリ・ヒロシ(人形舞)桑山哲也(アコーディオン奏者)、浅野祥(三味線プレーヤー)クリヤ・マコト(ジャズピアニスト)と多彩な才能が集結する。
    2016年12月9日(金)19:00開演 10日(土)14:00時開演/18:00開演 11日(日)13:00開演
    天王洲銀河劇場 http://hpot.jp/stage/clementia

    撮影協力

    ヤマハ銀座店 http://www.yamahamusic.jp/shop/ginza
    ※楽器に触れる際には、お近くの店員までお声掛けください。

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/