7人は12月の本選に向けて日々、レッスンを受けている。クラシックバレエは熊川哲也さん主宰のKバレエスクール、タップはHIDEBOHさんプロデュースのHiguchi Dance Studio、アクロバットはコナミスポーツクラブと、一流のコーチ陣の元でトレーニングを積んでいる。ビリー役を目標に、7人はダンサーとしての英才教育を受けているのだ。

 未来和樹クン(左)にとってそれは、望むところ。

「僕はもともとアルゼンチンタンゴやっていたんです、4歳頃から。でもタンゴって二人ひと組だから、ひとりでも踊りたいと思ってジャズダンスとかバレエとか始めていました。その教室に来ていた人が、なにか舞台を観に行ったときにオーディションのチラシを見て、僕に教えてくれたんです。和樹クンにぴったりじゃないの?って」

 加藤航世クン(右)は、バレエ歴8年。

「4歳からやっています。僕のスタジオの先生が、オーディションに出てみれば?って、教えてくれました。将来はプロのダンサーになろうと思っていて、ビリーの役ができたらきっと、役に立つんじゃないかと思いました」

 ふたりとも、踊りながら大きくなってきた、まさにリトル・ダンサー。リアムからはこんな言葉が。

「ビリーを演じる上で何より大事なのは、楽しむことだと思います。もちろん頑張ることも大事だけど、頑張りながら自分自身が楽しまないと、大事なことが見えてこない。理想的なビリー像みたいなものがあるわけじゃないから、自分自身をどんどん役に持ち込んで欲しいですね。僕自身、演じたのはもう10年も前だけど、当時学んだことは今でも僕の基礎になっている。自分の一部になっていると感じます。教えてくれた人たちやスタッフなど、若い頃からステキな大人たちに会えたことは、僕の財産になっているんです。君たちと僕と、今回、せっかくこうして会えたのだから、いつか一緒に仕事できるといいね(笑)」

  • 出演:『BILLY ELLIOT』(ビリー・エリオット)

    ミュージカルビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』
    英国発の大ヒット・ミュージカル。本作は『リトル・ダンサー』の邦題で上映された映画『BILLY ELLIOT』をミュージカル化した舞台。2005年5月にロンドンで開幕し、10年以上ロングラン上演され、現在もツアー公演中。日本は来年の夏から秋にかけて、東京(TBS赤坂ACTシアター)と大阪(梅田芸術劇場 メインホール)で公演予定。

    [あらすじ]1984年、イギリス北部の炭鉱町で育ったビリーは、父親の勧めでボクシングを習っていたが、ある時、隣の教室でやっていたバレエ教室に心惹かれ、こっそりと習うようになる。当時は女の子のためのものとされていたバレエに夢中になっていくビリーは教師に認められ、名門「ロイヤル・バレエスクール」のオーディションを受けるよう薦められる。男手一つで息子を育ててきた父は、男は逞しく育つべきだと強く反対していたが、ある晩ビリーが一人踊っている姿を見てビリーの溢れる情熱と才能、そして”バレエダンサーになる”という強い思いを知り、何とか夢を叶えてやりたい、自分とは違う世界を見せてやりたい、と思うようになる。
    家族との軋轢、亡き母親への想い、祖母の温かい応援。度重なる苦難を乗り越えながら、11歳の少年ビリーが追い求める夢は家族全員の夢となり、やがて街全体の夢となっていく・・・

    [公演情報]

    2017年
    7月中旬~10月上旬 〈東京〉TBS赤坂ACTシアター
    10月中旬~11月上旬 〈大阪〉梅田芸術劇場 メインホール
    オフィシャルサイト http://www.billyjapan.com/

    公式twitter @Billy_Japan
    音楽 エルトン・ジョン
    脚本・歌詞 リー・ホール
    演出 スティーヴン・ダルドリー
    主催 TBS ホリプロ 梅田芸術劇場
    Billy Elliot the Musical worldwide is produced worldwide by Universal Stage Productions, Working Title Films and Old Vic Productions and is based on the Universal Pictures/Studio Canal film.

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/