#5 すべての世代に江戸の楽しさを
知らざあいってきかせやしょう、お江戸ルほーりーこと 堀口茉純
- Magazine ID: 3374
- Posted: 2016.09.16
この9月彼女は新刊本「江戸はスゴイ~世界一幸せな人々の浮世ぐらし~」(PHP新書刊)を上梓する。
「江戸の町に焦点をあてて、江戸、東京はこういう歴史があるんだよ、っていうことをいろんな観点から書きました。江戸城がどれだけすごいお城か、その城下町もどれだけすごかったか。当時世界に類を見ないインフラがあり、治安も良く、様々なシステムが整った都市だったのか。江戸時代の人が書いた江戸のガイドブックや浮世絵を入れて、実際江戸の人が見ていた風景をお見せしながら江戸の町をみていこうと。
江戸城から始まって、日本橋、江戸の四宿、吉原、芝居町などなど、新書ですけど1ページに1点ビジュアルが入っています」
著作業以外に、テレビ、ラジオ、イベント、史跡ガイド、講演、とまさにマルチに活躍中。中でも月イチ(毎月第四木曜日)で行っている「UKIYOEナイト」はかなり面白い。スライドで浮世絵を観ながら時事ネタを絡めた解説をするライブ。台本もなしにたっぷり1時間以上喋り続ける様は圧巻、というより面白くてあっという間に時が過ぎてしまう。著書と同様に堅苦しい話はなく誰にでも楽しめるところが凄い。
「基本的に本も喋るお仕事もすべてエンターテインメントだと思っています。いろいろな世代、特に小中学生のような若い方に観てほしいし、意識して書いたり喋ったりしています。
時代劇が少なくなってしまいましたから、江戸に接する機会も少ないですよね。初心者の方も入りやすい、わかりやすいように心がけてはいますけど、私はオタクなので歴史オタクの鑑賞に耐えうる仕掛けもしています。歴史の研究者の方が見ても『なるほどね』と思われるようにしたいですね」
そして今日も彼女は可愛くポップに江戸を語り、初心者にもわかりやすく江戸を書き続ける。これは彼女にしかできないやり方であり「歴史家」「研究者」ではなく「お江戸ル」であり続けるのが彼女の矜持ではないだろうか。間口は広く、面白く、でも深く。語り部としての彼女は歌舞伎役者以上に江戸を楽しませてくれるエンターティナーだと私は思う。
-
出演:堀口茉純(ほりぐち ますみ)
1983年6月11日生まれ、東京都足立区出身。女優、タレント、歴史の水先案内人、通称ほーりー。江戸文化歴史検定1級、英語技能検定2級、中国語検定3級、ドラえもん検定博士号。趣味はアニメ、漫画鑑賞。アニソン熱唱。コスプレ。
オフィシャルサイト http://hoollii.com
レギュラーイベント
UKIYOEナイト(毎週第四木曜日)
場所:浅草 アミューズミュージアム
時間:会場18時、開演18時30分
チケット:前売り1620円、当日2160円
オフィシャルサイト http://www.amusemuseum.com/blog/2011/07/ukiyoe-night.shtml新刊本
「江戸はスゴイ~世界一幸せな人々の浮世ぐらし~」
9月16日発売 PHP新書 定価880円(税別)取材/文:横田一郎
お江戸とロックと酒と猫とサイクルロードレースが好き。好きな時代劇は「御家人斬九郎」。飼い猫の名前はコンタドール。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/