6月18日、『7本指のピアニスト』出版記念のコンサート&トークショーが六本木のライブハウスで開かれた。音だけ聴いていると、7本の指で弾いているとは思えない。動かなかった指が今、聴いている人たちの心を大きく揺さぶっている。

「これからも、こういう講演活動は続けていきたいです、日本でも、アメリカでも。おこがましいけど、人助けがしたいんです。僕自身、人に助けてもらうとすごくうれしいから、自分がされてうれしいことは、人にもしてあげたい。
 僕の人生には良いこと悪いこと、いっぱいありました。でも僕はずっとポジティブに前向きに、生きてきた。つらいときや不運なとき、文句を言うのは簡単だし、今あるだけのことを、あるだけで終わらせるのは簡単です。でもポジティブな生き方をしていれば、プラスのエネルギーが生まれる。不可能を可能にすることもできるんです!」

 ポジティブに生きてきたおかげで、ニューヨークでホームレスの人に助けてもらった話、泥棒に助けられた話、飛行機が遅れたおかげでファーストクラスで日本に着いた話などなど、西川さんの人生は本当にドラマチックで面白すぎる! YEOでは書き切れないので、これ以上は彼のコンサートや本やブログや講演会で、お楽しみ下さい。

  • 出演:西川悟平(にしかわごへい)

    1974年、大阪府堺市生まれ。JHCFoundation,Incグリニッチ国際音楽院ディレクター。米日財団会員。15歳からピアノを始め、3年後にニューフィルハーモニー管弦楽団とピアノコンチェルトを共演。99年、巨匠、故ディヴィッド・ブラッドショー氏とコズモ・ブオーノ氏に認められ、ニューヨークに招待される。同年、リンカーンセンター・アリスタリーホールにてニューヨークデビュー。翌年より定期的にカーネギーホールにて演奏。01年、両手の演奏機能を完全に失い、ジストニアと診断された。リハビリにより右手の機能と左手の指2本を回復させ、現在に至る。著書に『7本指のピアニスト』(朝日新聞出版)。

    オフィシャルブログ http://goheinishikawa.blogspot.jp/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『BAILA』『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/