#4 馬頭琴を聴くと、良い人になれます!
幸せを呼ぶ馬頭琴奏者 セーンジャー
- Magazine ID: 2028
- Posted: 2015.01.29

YEOのボス、カメラマンのハギニワ氏が、こんなことを言っていた。
「セーンジャーさんに初めて会って、演奏を聴いた帰り道、車に乗ろうとしたらパーキング設備のエラーで、車が出せなくなっていたんだよね。ふだんだったら〝冗談じゃない、なんとかしろ!〟って烈火の如く怒って当然の状況だったんだけど、その時はなぜか怒る気になれなくて。自分でもすっごく不思議だった」
どうやらそれは、馬頭琴の音色に秘密があるようだ。
「モンゴルでは自宅で牛、馬、ラクダ、羊や山羊を飼っている家が多いんですが、ラクダや牛は、初めて赤ちゃんを産んだ後、どうしていいのかわからなくて、その赤ちゃんを毛嫌いしてしまうケースが多いんです。動物も育児放棄するんですね。そこで馬頭琴を弾ける人が呼ばれて〝ちょっと弾いてくれないか?〟って頼まれる。優しいメロディをしばらく聴かせると、ラクダや牛のお母さんは静かになって、穏やかな表情になる。涙を流すこともあります。そのタイミングで赤ちゃんを連れてくると、すんなり受け入れて面倒を見始めるんですよ」
わかるー! 人間も馬頭琴の音色を聴いていると、心の中のトゲトゲがすーっと消えて、温かい空気に包まれているような心地よさ。馬頭琴の音色を聴いていると、良い人になれるような、そんな気がする。
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出演:セーンジャー 賽音吉雅
内モンゴル出身。内モンゴル芸術学院卒業後来日。大東文化大学大学院修了。2005年『スーホと白い馬』映画出演、音楽監督を自ら行い、文部科学省選定作品に選定される。2007年映画『蒼き狼 地果て海尽きるまで』において馬頭琴を担当、モンゴルロケに参加。2008年北京オリンピック、ギネス世界記録イベントにおいて馬頭琴を演奏。2012年NHK『エル・ムンド』『ほっとアジア』に出演。2013年内モンゴル国際文化交流宣伝大使に任命
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取材/文:岡本麻佑
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撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/