ところで、どういうルートでバリスタという仕事に？

「もともと僕、何もやりたいことがなくて、大学に通っている間にやりたいこと見つけようと思ったけど、見つからなかったんです。ただ、カフェが大好きなんですよ。大学時代からスターバックスで本を読んだりレポートを仕上げたり。

　当時付き合っていた彼女がスタバでバイトしていて、自分もちょっと働いてみたいな、と思ってやり始めたらハマっちゃったんです。ラテアートというものがあるのを知って、こんなにキレイなハートが作れるんだ！って感動して。休憩前、自分用のドリンクを作るときにハートの絵を作ったりしてました。

　大学を卒業してからも就職しないで、スタバに１年。その後、カフェの会社に就職して、そこのマシンを使って休日とか仕事後にラテアートの練習をして、基本的な技術はこの頃身につけましたね。1年半後にそこを退社して、今度は横浜にある有名なコーヒー店と、イタリアンバール的なところと掛け持ちで、バリスタ業務をしたりして。

　で、その頃、将来が不安になっちゃったんです。どうしようかなーって、もやもやしてたら友だちが、今いるこの店がスタッフ募集していることを教えてくれたんですよ。ここは2008年にラテアート世界大会でアジア人で初めて優勝した澤田洋史さんが監修している店なので、澤田さんはずっと僕の憧れの人でしたから、〝こんなチャンスはないぞ！〟って。で、面接受けたらたまたま受かっちゃったんです」