テレビの電源をオンにするとどこかのチャンネルで必ずハーフのタレントが出演している。テレビ界はもとより、街中を歩いていてもハーフのお子様とすれ違うのはもはや珍しくもない。市民権を得たどころか、日本人の新しいスタンダードな姿になる日も近いと感じるくらいだ。しかしながらどうだろう。バラエティ番組では数多見かける彼女らも、女優ともなると意外に少ないのではないだろうか。
 フランク莉奈、彼女はアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた。北海道出身の彼女は女優である。身長171cmと長身。ミュージカルなど舞台を中心に活躍している21歳。

「小さな頃は人見知りで、絶対に目立ちたくないと思っていました。運動会や発表会でみんなで楽しく踊っているところでも、私だけ棒立ちしていて逆に目立っていたくらいでした。とにかく目立つことや人前で話すのが嫌で、凄く内気でした」

 それが今や舞台の上で歌っているのだから人生というものは不思議だ。演劇に目覚めたのは小学校2年生の時。

「小2の時1年間だけアメリカに住んでいました。その時演劇の発表会があったんです。1年間しか住まないって知ってたから、もう二度とこの人達とは会わないと思って、これでもかっていうくらいはじけた演技をしてセリフを喋ったんです。そうしたら『楽しい!』って思ったんです。日本に帰国してからお芝居をやりたいって考えるようになって、演劇を始めました。それからずっとお芝居のことばかり考えています」

 人見知りで内気な少女がたった一度の演技体験で性格までも変わってしまう。しかも将来の職業にまでなるとは。演劇って凄いんですね。

  • 出演:フランク莉奈(フランク・リナ)

    1993年7月6日生まれ、北海道出身。小学生の頃から地元北海道で子役として活躍。16歳からモデルとして活動を開始。2010年『アジア・スーパー・モデル・コンテスト2010』に日本代表に選出される。中国で行われた決戦大会に出場し、アジア・スーパー・モデル賞を受賞。2011年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のヒロイン・ジュリエット役の公募オーディションに合格。女優デビューを果たす。現在早稲田大学に在学中。

  • 取材/文:横田一郎

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/