#5 友達のいる地へGO
矢野聖人
- Magazine ID: 1845
- Posted: 2014.11.21
映画『最後の命』で子ども時代の矢野聖人さんを演じたのは、板垣李光人(りひと)くん。画面に現れた瞬間にびっくりするような美少年で、幼い頃の矢野さんもかくやと思わせます。初めて李光人くんに会った時の印象は?
「自分でも似てるなって思いました。ゆっくり話すことができたのは、撮影現場がたまたま一緒だった日かな。もう少し時間があれば、李光人と一緒に冴木という役を作り上げたかったと今になって思います。たとえば、子どもの頃からのクセとか。でも、そこは松本監督を信じていましたから。実際、映画を観て違和感はありませんでした」
『最後の命』では、今までにない役柄に挑戦した矢野さん。10年後の自分はどんな役者になっていると思いますか?
「10年後ですかー? 32歳かあ……。役者としての地位を確立していたいですね。普通に言えば、有名になっていて欲しい(笑)。そのためにも、今からがんばらないといけないな、って思います。1年中忙しい人であって欲しいですね」
今でも多分、充分に忙しいと思いますが、まだまだ余力はあると見た。さて、若いときからバイトや仕事に明け暮れてきたという矢野さん。もしも1ヵ月のまとまった休みを取れるとしたら、何をしたいですか?
「地方を旅して回りたいですね。今まで自分が訪れた土地に。たとえば、大阪とか、福井とか、福岡とか、沖縄とか。一人で行きたいです」
友達が少ないと言いながら、行く先々で友達を作っている矢野さん。決して多弁ではないけれど、人の話を真面目に聞き、目の前の人にきちんと向き合うことができる人のようです。そういう人こそ、じつはコミュニケーション能力が優れているのではないでしょうか。
インタビュー後に食事に出かけたときに、萩庭カメラマンが「手品見せてよ」と無茶振り。そうそう、インタビュー中にコミュニケーション能力を養うために手品を覚えたと言っていました。矢野さんは「えー!」と言いながらも、私たちを驚かせる手品をちゃんと見せてくれましたよ。
ところで、ずっと気になっていた黒いネックバンド。それはこだわりのファッションなのか? よく似合っているのですが、舞台挨拶でも撮影のときもインタビューの日も着けていたので、最後に訊いてみました。
「……いま肌が荒れているので、するように言われているんです」
うーん。やっぱり何をしてもかっこいい人はいるんだなあ。
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出演:矢野聖人
1991年東京都生まれ。蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』のオーディションで8523人の応募者のなかから選ばれ、デビュー。その後、2011年『身毒丸』を好演。その他ドラマ『GOLD』『リーガルハイ』『GTO』、映画『天国からのエール』、『サクラサク』、舞台『ヘンリー四世』『ロミオとジュリエット』に出演。今後は『リーガルハイSP』(11月22日21:00~CX)、映画『でーれーガールズ』(2015年2月公開)に出演。現在、 映画『ふしぎな岬の物語』『最後の命』(松本准平監督・中村文則原作)が公開中。
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取材 / 文:加藤いづみ
コピーライター。東京都出身。成城大学文芸学部卒。広告、SP、WEBのコピーライティング、企画のほか、1996年より某企業のPR冊子(月刊)制作を継続して手がけている。
https://www.facebook.com/mi.company -
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/