デビュー以来、ファッション誌『smart』のレギュラーモデルも務めてきた矢野聖人さん。モデルの仕事はいかがですか?

「役者の仕事から完全に切り替えられる仕事なので、楽しいです。ふだん自分が着ないような服を着られるのも楽しいですし、髪を切ったばかりなので新しいスタイリングも知りたいですね」

 洋服の話をしているうちに制服の話になり、いつの間にか学生時代の話になりました。どうやら学校が嫌いだった様子です。

「学校という仕組みが嫌いだった。毎日行かなきゃいけない、毎日同じ服を着なきゃいけない、毎日同じ席に座らなきゃいけない。まるでロボットみたいじゃないですか!」

 とはいえ、成績は良かったという。というのも、「授業は嫌いだけど、先生という人間は好き」という理不尽な思いに囚われていたから。だから先生の言うことはよく聞いて、意外に要領よく勉強をこなしていたようです。学校の先生とは今でも親しくしているという点も、そつのない優等生を思わせます。

 そんな学校時代を一緒に過ごした地元の友達とは、今もつきあいが続いているとか。一緒に映画を観に行って、シネコンで別々の映画を観るという、ある意味クールなつきあい(とてもうらやましい)。

「だってイヤじゃないですか、お金払って友達が観たい映画を観るなんて。自分が観たい映画だったらいいですけど。お金を払うってそういうことだと思っています」

 正しい! と私は思いますけれど、みなさんはいかがでしょうか。そんな矢野さんはどんな映画が好きなんでしょう?

「若者が何かをする映画が好きですね。自分がバイトばかりで“青春”できなかったから、そこに憧れを感じるのかもしれない(笑)。海だって写真集の撮影で行ったくらいだし、ディズニーランドも中高合わせて1回か2回……だから観たくなるのかもしれません」

かわいそうな青春……いやいや、まだ22歳ですから、これから楽しいことがたくさんありますよ!

さて、明日は公開中の『最後の命』について、何かウラ話を聞かせていただきましょう。

  • 出演:矢野聖人

    1991年東京都生まれ。蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』のオーディションで8523人の応募者のなかから選ばれ、デビュー。その後、2011年『身毒丸』を好演。その他ドラマ『GOLD』『リーガルハイ』『GTO』、映画『天国からのエール』、『サクラサク』、舞台『ヘンリー四世』『ロミオとジュリエット』に出演。今後は『リーガルハイSP』(11月22日21:00~CX)、映画『でーれーガールズ』(2015年2月公開)に出演。現在、 映画『ふしぎな岬の物語』『最後の命』(松本准平監督・中村文則原作)が公開中。

  • 取材 / 文:加藤いづみ

    コピーライター。東京都出身。成城大学文芸学部卒。広告、SP、WEBのコピーライティング、企画のほか、1996年より某企業のPR冊子(月刊)制作を継続して手がけている。
    https://www.facebook.com/mi.company

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/