撮影とインタビューが終わり、彼女が帰った後、萩庭桂太は一言こう言った。

「彼女ほっといても売れるね」

 はい出ました、お墨付き。しかしながら萩庭師匠は撮影現場でシャッター押している時間より喋っている時間の方が長い事で有名。且ついささか話を盛る傾向にある。長年付き合っているスタッフは「マジすか、勉強になります」などと眉に唾をつけながら答えている場合が多い。しかしながら今回ばかりはこの意見に賛成しよう。今風に言うと禿同である。なぜか? 以下、彼女が売れる10の理由を解説しようではないか。

 出身は愛知県稲沢市。兄弟はお姉さんと弟さんと3人兄弟。小さな頃から体を動かすのが大好きで、ずっと外で遊んでいる女の子だったそうだ。男の子の中に混じってサッカーをしたり、お父さんや弟さんとキャッチ・ボールをしていたとのこと。

 芸能界に入るきっかけは?

「小学校6年生の時に、友達がピチレモンっていう雑誌のオーディション用紙を持ってきて『一緒に受けよう』って言われて。それで合格したのがこのお仕事をするきっかけでした。その時は特に女優になりたいとか、モデルになりたいとか具体的な目標はなかったんですけど、ただ芸能界っていうキラキラした世界に漠然と憧れをもっているだけでした」

 理由その1。友達や兄弟に誘われてオーディションを受け、自分だけ受かっちゃう。これ芸能界入りの王道パターンですね。見る人が見れば将来輝く原石は見つけられてしまうんです。でもってすんなりモデル・デビュー。

「私が想像していた通りキラキラした場所でした。一緒になるモデルも自分と同じ世代でしたから、学校の延長みたいですごく楽しくて、何の苦労もなかったです」

 理由その2。才能ある人間は下積み時代がありません。乗り越えるべき壁は自分で学び、自分で乗り越えていて、それを苦労などとは感じないものなのです。

  • 出演:清野菜名

    1994年10月14日生まれ、愛知県出身。映画『TOKYO TRIBE』スンミ役に抜擢され一躍注目される。今後の公開予定は、映画『少女は世界で戦った』(監督:金子修介)マリ役。映画『進撃の巨人』(監督:樋口真嗣)。テレビ『素敵な選TAXI』(フジテレビ系)など。

    オフィシャル・ブログ http://ameblo.jp/seeeno7/

  • 取材/文:横田一郎

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/