ワインのおいしいイタリアンバールのカウンターに美しい女性がひとり。さて、あなたなら彼女をどんなデートに誘いますか? もしもその女性が食の専門家で、しかもミス・ユニバース・ジャパンのファイナリストになったことがあるとしたら。

「初デートで『どこに行きたい?』と聞かれたら必ず『焼き鳥屋』と答えます。気を使わないし、おしゃべりもできるし、何より相手の人がよくわかるから。すごくおしゃれな店に連れて行ってくれる人もいるし、かっこいいバーみたいなお店を選ぶ人もいるし、お店はきれいじゃないけれど美味しい焼き鳥を食べさせてくれる人もいる。私は断然、3番目の人が好きです」

 そう言って焼き鳥デートを推奨する、石坂優子さん。月に数回、焼き鳥屋を訪れ、ときにはおしゃべりもしないで黙々と食べて、さっと引き上げることもあるという、文字どおりの肉食系美女だ。

 石坂さんは、美容栄養アドバイザーとして「食」にまつわるさまざまな仕事に携わっている。そんな女性は、きっと美味しい店をたくさん知っているのでは……と腰が引けてしまう人がいるかもしれない。あるいは、一流店に連れて行かなければ、と気張ってしまう人も。しかし、女性とはそういうものではないのです。

「もちろん、カチカチ系(と、ナイフとフォークを使う仕草をする)のお店もいいけれど、いろいろなシチュエーションで食べる楽しみを共有できる相手がいいですね」

 そうそう、気取った店ばかりに行きたいわけではない。といって、いつでも焼き鳥でいいということもないけれど。

 写真を撮影したのは、石坂さんがひとりで立ち寄れる数少ないお店のひとつだという。店主とは気兼ねなく話をし、わがままなオーダーも聞いてもらえる間柄だ。

「じつは、ひとりで食事をするのは苦手なんです」

 あれ? 意外に引っ込み思案なのかな。華やかなミス・コンテストという舞台から「食」のプロフェッショナルに転身した理由も、そんなところにあるのかもしれない。表舞台と裏方を行き来する、現在の彼女を作り上げたバックグラウンドを探ってみたい。

  • 出演:石坂優子

    美容栄養アドバイザー/ミス・ユニバース・ジャパンファイナリスト。決勝進出の体験をきっかけに美容と食の深い関わりあいに興味を持つ。その後、栄養士になるために進学。栄養・調理・美容について学びながら、レストランの厨房やフードコーディネーターのアシスタントなど様々な食の経験を積み、栄養士とサプリメントアドバイザーの資格を取得。2010年よりミス・ユニバース・ジャパントレーニング講師(美容栄養学)として後輩たちに食事のトレーニングを行う。現在はその経験を生かして美容栄養アドバイザー、フードコーディネーターとしても活躍中。著書に『おいしい!ヘルシー!ヨナナスレシピ』(池田書店)、『美健丼 美味しく食べて健康になる丼レシピ 53』(ダイヤモンド社)ほか。1月29日に最新著書『LOVE & COOK 彼が「決意」する愛の美食レシピ』(実業之日本社)発売。
    カレーラ(所属事務所) http://www.carrera-co.jp/
    オフィシャルブログ「ASHITAMOKIREI」 http://ameblo.jp/yukoishizaka/

  • 取材・文:加藤いづみ

    コピーライター。東京都出身。成城大学文芸学部卒。広告、SP、WEBのコピーライティング、企画のほか、1996年より某企業のPR冊子(月刊)制作を継続して手がけている。
    https://www.facebook.com/mi.company

撮影協力:バール キャッキャエーレ http://chiacchi-ere.com/
撮影:萩庭桂太