たかがネイル、されどネイル
岡田薫
- Magazine ID: 1552
- Posted: 2013.11.11
「ネイルと出会ったことで、私の人生は変わったんです」
きっぱりと、そう言い切るのは、今週、ご登場いただく岡田薫さん。18歳のときからモデル、タレント、女優として活躍し、テレビ番組『世界・ふしぎ発見!』ではミステリーハンターとして世界を飛び回ったキャリアの持ち主だ。
その芸能界を28歳で卒業し、以前から夢だったネイルサロンを自らの手でオープン。恵比寿の街中にあるサロン「Lagoon」は、現在、予約が取れないほどの大人気。岡田さんはなぜ芸能界を離れ、ネイルの世界を選んだのだろう?
「それは、私にとってネイルはなくてはならぬものだったから。そもそも芸能界に入ったのも、18歳のときに初めてネイルサロンに入ったのがきっかけでした。それまで私は、ずっと爪にコンプレックスがあったんです。薄くて弱くて折れやすい。高校時代、周りの友達は爪を長く伸ばしてお洒落をしていたのに、私の場合、少しでも爪を伸ばすと折れてしまう。おかげで、深爪になるほど短く切らなきゃいけない。見た目もカッコ悪くて、自分の爪を見られるのがたまらなく嫌でした」
当時は、まるで猫の手のように、常に指先を丸めて爪を隠していたという。
「それが大学生になったとき、たまたま通りがかったネイルサロンでスカルプチャー(つけ爪)をつけてもらったら、世界がガラッと変わったんですよ。スカルプチャーで爪を長く伸ばしたら、指や手までが別人のようにキレイに見えて。“ほら見て、私の爪!”って、人前で堂々と見せられるようになったんです」
爪に自信が持てたことで、性格もガラッと変わった。“猫の手”だった頃は内向的な女の子だったのが、ネイルサロンに通うようになってからは驚くほど前向きに。「この爪だったら、私だってイケるかも!」と、その勢いでモデル事務所のオーディションにも合格。つまり、私たちが『世界・ふしぎ発見!』で岡田さんの姿を見ることができたのは、彼女がネイルサロンに出会ったおかげだったというわけだ。
「“たかがネイル、されどネイル”なんですね。爪って、こんなに小さな存在だけど、私にとっては何よりも大切なもの。キレイな爪は人生をハッピーにしてくれるんです」
自分が実感したその幸せを、もっと多くの女性たちに味わってほしい。そんな思いから、「将来はネイルサロンを経営したい」と夢見て、大学在学中から既にネイルスクールにも通っていたという。だが、当時、サロンで扱っていた薬剤が強すぎて、敏感肌の岡田さんは全身がカブれる羽目に。「これでは職業にするのは無理」と泣く泣く諦めて、芸能界の仕事に専念することに決めたのだ。
「だけど、自分でネイルサロンを開きたいという夢を、どうしても捨てきれなかったんです。そして28歳で芸能界の仕事に限界を感じたときに、その夢が再び心の底から蘇ってきました。幸い、今では強烈な薬剤を多用する必要はありません。だったら、ここで“もう一度、夢にチャレンジ!”と、思い切ってサロンをオープンすることにしたんです」
そんな熱い思いで立ち上げた待望のサロン。だが、オープンから3カ月、早くも倒産の危機に見舞われる。まさに大ピンチ! そこで岡田さんが打った一手とは?
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出演:岡田 薫(おかだ・かおる)
1978年生まれ。大阪府出身。ネイルサロン「Lagoon」オーナー。10代の頃から芸能活動を始め、テレビドラマ、バラエティ、映画、CMなど各メディアで活躍。テレビ番組『世界・ふしぎ発見!』ではミステリーハンターとして世界の秘境の数々を訪れた。2010年にネイルサロン「Lagoon」を東京・恵比寿にオープン。「大人可愛い」ネイルデザインを提供し、顧客には歌手、人気モデル、タレントも。また、オリジナル化粧品「Lagoon Organics」の商品企画開発も始め、第一弾商品としてオーガニックヒップケアクリームの販売も開始。
岡田薫さんオフィシャルブログ http://ameblo.jp/kaoru-okada/
「Lagoon」公式サイト http://www.lagoon-nail.jp/
「Lagoon Organics」公式サイト http://www.lagoon-organics.com -
取材・文:内山靖子
ライター。成城大学文芸学部芸術学科卒。在学中よりフリーのライターとして執筆を開始。専門は人物インタビュー、書評、女性の生きかたや健康に関するルポなど。現在は、『STORY』『HERS』(ともに光文社)、『婦人公論』(中央公論新社)などで執筆中。
ヘアメイク:えのもとみゆき(BLANCO)
撮影:萩庭桂太