以前はFMラジオ局にいて、今は『Time Out Tokyo』というウェブマガジンで働く東谷彰子さんと知り合ったのはもう8年くらい前になるだろうか。ときどき顔を合わせるのだが、そのたびごとに痩せてきれいになっているのに驚いた。いったいなんでなんだろうと思っていたら、あるとき驚くべき告白をされた。

「私、走っているんです」

 そして彼女はこう続けた。

「森さんも、一緒に走りましょう」

 走る人はなぜかふた言目には必ず走ることを勧誘する。私の友人にも走っている人は多いが、あの人もこの人も「一緒に走りましょう」と誘う。私はその度に1人だけ違う宗教の人のように困った顔をして言う。

「……嫌です」

 すると、走る友人たちはみな一様に爽やかに笑って、その話はなかったことにしてくれる。だが、こう言うのである。

「運動に無縁な人ほど、走ることにハマるんですけどね」

 長距離を走るというつらそうなことがなぜ気持ちがいいのか、そればかりはやってみなければわからないことなのだろう。

 さて、その東谷さんたちは、ランニングに魅入られた美女ばかり集まった「RunGirl」というプロジェクトチームをつくっているらしい。

「今、17人いて、それぞれのペースで走りながら、いろんな女性が楽しめるランのイベントを企画しているんです」

 聞けばその17人の中にはモデル、ヘアメイク、カメラマン、編集者と様々な職業の人がいるのだという。

「フリーでPRをしている宇田川佳子さんと、編集者の影山桐子さんが中心になって、女性にやさしくおしゃれな感じでランニング大会を発信していきましょうということになったんです。それでRunGirlは3年前に一般社団法人になりました。2010年に第1回を開催し、昨年の大会はお台場を走り、ホテル日航東京でアフターパーティーとファッションショーをしました。今年も9月に第4回大会を開催する予定です」

 ただ走るだけじゃなくて、そこから何かを発信していく。元気な美女たちのそれぞれの走り方にも耳を傾けてみよう。

  • 出演:RunGirl

    「走る女性のパワーで毎日を豊かに」をテーマに活動する、メディア、ファッション、ビューティー業界の女性ランナー集団。2010年一般社団法人ランガールを設立、ランニングギアの開発や百貨店とのコラボレーションなど活躍の幅を広げ、この春には神宮前5丁目にオープンするヘルスコンシャスな女性向けのヘアハウス「FRESH share JINGUMAE」のプロディースなどにも参加。また、年に一度お台場にて女性だけのマラソン大会「ランガール★ナイト」を主催、メンバーがボランティアで企画、運営に携わる。
    http://www.rungirl.jp/

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

  • スタイリスト:工藤満美

    雑誌、広告、CM、カタログを中心に活躍。ティアリーレイのデザイナーでもある。
    http://www.tialeeray.jp/

  • ヘアメイク:宮内研太

撮影協力:シャングリラホテル東京 http://www.shangri-la.jp/
衣装:ボーダージャケット ¥19950(アニマ神宮前店 03-6418-4821)
撮影:萩庭桂太