“アイアンマン”大原里絵
RunGirl
- Magazine ID: 1214
- Posted: 2013.02.12
今日から3日間はRunGirlのなかのモデルさんたちにご登場いただこう。
「ありえない場所で走ろうとしている感じをとりたい」と萩庭桂太が突然言い出し、撮影場所にはあのゴージャスなシャングリラホテルをお借りすることになった。
まずはイタリアン・レストラン ピャチェーレでの撮影だ。私は知人とここでランチをしたことがあるが、優雅な調度の中でいただく料理は格別である。トスカーナ料理が基本にあるらしいが、そこに東京的な繊細さが加わって、見た目も美しい。まさにすべての女性を満足させる要素が備わったレストランである。
そこに今にも走り出しそうなサンバイザーで登場してくれたのは、モデルの大原里絵さんだ。里絵さんは42.195キロを3時間27分で走り切る。昨今はマラソンに飽き足らず、トライアスロンにも果敢に挑む。
「3.8キロ泳いで180キロ自転車をこいで、42.195キロ走る“アイアンマン”という競技にも2度トライしました。子どものときから実業団までバスケットボールの選手をしていて、インターハイも優勝しているんですね。そのとき以上の感動をどうやったら得られるのかという、感動探しをしているような気がします」
走ることを始めたのは2006年。20代でやってみたかったことが3つあった。フルマラソンと富士登山と合コン。その中から、彼女はフルマラソンを選んだのだった。
「実は走り始めた日に、目の前で小学1年生にもならないような小さい子どもがバスにひかれたんです。次の日、同じ場所に花束が供えられていて、亡くなったんだとわかりました。そのとき、ふと思ったんです。あの子は小1まで生きられなかったんだ。私は29歳まで生きてきた。なんか、このままじゃぬるい人生だな、と。今もその道を走る度に、そのことを思い出します」
里絵さんには小学6年になる娘がいる。去年の12月には娘と一緒にホノルルマラソンを完走した。子育てもモデルの仕事もしつつ、走ることは彼女の生活の中で大きな幹のようにそこにある。
「大人には卒業がないし、モデルにも完結するということがない。走っていてよかったと思うことは必ずゴールがあることです」。
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出演:大原里絵
多くのメイクアップアーティストからの支持を集め、ビューティモデルとして女性誌や広告を中心に活躍。2010年7月 館山わかしおトライアスロン大会完走、9月19日 IRONMAN70.3セントレア常滑ジャパン 6時間56分で完走、11月3日 サンポート高松トライアスロン 女子年代別で優勝、11月13日 ロタ・ブルー・トライアスロン 女子の部優勝など、出場歴は多数。一児の母でもある。
http://www.ohara-rie.com/
http://ameblo.jp/ohara-rie/ -
取材・文:森 綾
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810 -
スタイリスト:工藤満美
雑誌、広告、CM、カタログを中心に活躍。ティアリーレイのデザイナーでもある。
http://www.tialeeray.jp/ -
ヘアメイク:宮内研太
撮影協力:シャングリラホテル東京 http://www.shangri-la.jp/
撮影:萩庭桂太