走りながら世界を旅する、蒲生麻由
RunGirl
- Magazine ID: 1215
- Posted: 2013.02.13
蒲生麻由さんの撮影はウェディングドレスで、ということになった。撮影場所はシャングリラホテル東京の広々とした一室。4つしかないという角部屋は大きな2面の窓から都内が見渡せ、大空にすっくと建つスカイツリーが圧巻だ。
「結婚して2年になるのですが、夫ともホノルルマラソンで出会いました。彼はメディカル・アドバイザー。もともと医師ですが、スポーツ選手に体の使い方や生活のアドバイスをする仕事です。ロスにいる事も多いので、私も日本と行ったり来たりですね」
ロサンゼルスと東京を行ったり来たりというセレブな生活も、板についてきた。走るということのストイックさが、その生活の根底に流れているからだろうか。
「子どもの頃は野球とかソフトボールが大好きでした。走るのは、2004年にホノルルマラソンを走ったのが最初です。当時ViViという雑誌でモデルをしていて『一生に一度でいいから42.195キロ走ってみたい』とふと口にしたのがきっかけ。9月末から練習し始めて12月に本番でした。でも走り始めて考え方もものの感じ方も変わりましたね。もっと万全に整えて再挑戦したいと、ゴールする前から来年のことを考えていました」
彼女の気持ちにまるで合わせたように、ランニング雑誌が何冊か創刊され、その中の『ランニング・スタイル』という雑誌で3年間、彼女は表紙と巻頭を飾ることになった。
「金哲彦先生の監修だったので、撮影の日にフォームをチェックしてもらえて幸運でした。08年にはパリ・マラソンを走ることもできました。走っている4時間の間、見逃していた景色がぱーっと見えてきて、五感を刺激されたんです。走りながら世界を旅したい、と思うようになりました」
大会に出るのは、街を楽しむこととセットだ。
「東京マラソンを走って、東京が好きになりましたし。それまで、走る時は仕事をくっつけていたけど、仕事から離れて、集中して走り切ってみたいと思ったんです」
東京マラソンはベストタイムの4時間26分を出した。
「タイムにとらわれたくはないですが、前の自分より少しでも成長した自分を見たいんです。だからライフスタイルとして長く続けていきたい。それとね、走るって孤独なだけではないんです。誰かが頑張って走っているのを見ると、私もがんばろうとパワーをもらえます。RunGirlのイベントをやることで『皇居を走る仲間ができました』というような話も聞けてうれしいんです。女性のパワーを伝えられるコミュニティでもあると思います。走ることで人との縁が新たに生まれてゆく。それがまた素晴らしいですよね」
街を味わい、人とのふれあいを求めて走る。それもまた、女性らしい走り方と言えるのかもしれない。
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出演:蒲生麻由
14歳からモデル・女優として、様々な雑誌や映画、ドラマなど幅広く活動。2004年にフルマラソンに初挑戦し完走。その後も数々の大会に出場してきた。2011年に東京マラソンで自己ベストを更新(4時間26分)。その後はトライアスロンにも挑戦。現在、自らのアクセサリーブランド『Lamana』を展開中。
http://rinasce.jp/member/gamo.html
http://ameblo.jp/mayu-gamo/ -
取材・文:森 綾
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810 -
スタイリスト:工藤満美
雑誌、広告、CM、カタログを中心に活躍。ティアリーレイのデザイナーでもある。
http://www.tialeeray.jp/ -
ヘアメイク:宮内研太
撮影協力:シャングリラホテル東京 http://www.shangri-la.jp/
撮影:萩庭桂太