久しぶりに荒技をやってのけた。

 ここ2カ月で3冊分の本の原稿を書いたのである。他人様の著書となるので自著ではないが、インタビューをして原稿をまとめるのだから作業量的には2倍以上かかる。30代の頃は、雑誌や新聞のレギュラーの他にそういういわゆる「タレント本」を毎月1冊くらい書いていた。あんな忙しいことはもうないだろうと思っていたが、人生、わからないものである。

 忙しいのは本当にありがたいことであるが、30代のときの私と今の私は体力がやや違う。思いきり書いた次の日、寝たきりで起き上がれず、このまま孤独死するのではないかと思えたことが2日ほどあった。

 この連載で神舘さんがピンチヒッターで1週書いてくださったのは神の助けかと思った。生活保護受給はまだ大丈夫そうだが、一生の生活を保護してくれる男性は急募しております。お問い合わせは文藝春秋デジタル・メディア局、西川までお願いします。

 というわけで、今週はまたYOUR EYES ONLY の原稿からスタートだ。

 今回インタビューの場所となったのは、ロイヤルガーデンカフェ青山店であった。外苑前駅からほど近く、銀杏並木の見える洒落たオープンカフェである。

 萩庭桂太はどうやら私に激安回転寿司の話を書かれたのが嫌だったのであろう。こんなところも知っているということをアピールしたかったに違いない。

 いや待てよ。そうか。今日は芸能人がいるから洒落たところを選ぶのだ。そういえば以前「野菜の美味しいレストランはないか」と尋ねられたことがあった。この男はきっと芸能人の女性にはお金を遣うのである。

  • 出演:中別府葵

    1990年熊本県生まれ。血液型A型。172センチの長身で演技にモデルにと活躍する女優。08年にテレビ東京のドラマ24「ウォーキン☆バタフライ」で初主演し、その存在感が話題を集める。その後、テレビや映画に出演、今年3~4月、日比谷・シアタークリエなどで上演された白井晃演出『幻蝶』では、ストリッパー役を好演した。9月には東京・天王洲の銀河劇場『ハイスクール歌劇団☆男組』にも出演する。
    http://horipro.co.jp/talent/PF097/

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太