去年、ふと、SHOKOは「日本で仕事がしたい」と思った。

「去年の夏、東京に来ました。日本は日本で、モデルの世界が出来上がっている。好かれる表情も、ポーズもファッションも違う。でも日本の雑誌や広告に出たいと思って」

 オーディションにいくつか挑んだ。

「台湾と日本の違いにびっくりしたのは、日本のモデルさんは自己アピールが少ないこと。『ポージングお願いします』と言われても、同じようにしかやらない。私はやめとけばいいのに、いろいろやっちゃう」

 「スーパーモデル風に!」と要求されたオーディションでは、曲に合わせて彼女1人だけが踊った。結果は合格。

「それで、私のやり方でやればいいのかなと思うようになりました。あるゴルフ場の広告では、クライアントに『インターナショナルで知的な人を求めている』と言われて、沖縄の方言バリバリで話したら、逆に覚えてもられました。『黙っていたら知的に見える』ということで合格しました」

 傍若無人にも見えるが、あきれた顔をすると、こう付け加えた。

「お固いところは、空気は読むよぉ!」

 ほんとかなあ。試しに皆様、オーディションに呼んでやってください。

  • SHOKO

    沖縄県出身のモデル、女優。日本人の父とスイス人の母を持つ。18歳でモデルとしてデビュー、20歳で海外中心のモデル活動を始める。日本語、英語、中国語を話す。2012年には、中国・台湾の合作映画『宝島双雄』で女優デビューを果たし、得意のアクション、格闘技を披露。「GQ」台湾版2014年2月号では表紙を飾った。現在は、さらに日本でも活動の場を広げている。
    ティーム・エヴィーヴァ(所属事務所) http://www.team-evviva.com/
    公式ブログ http://ameblo.jp/shokolate-chocolate/entry-11784020085.html
    facebook https://www.facebook.com/waldispuhl.shoko

  • 取材・文:森 綾

    1964年大阪生まれ。ラジオDJ、スポーツニッポン文化部記者、FM802編成部を経て、92年に上京、フリーランスに。雑誌、新聞を中心に発表した2000人以上のインタビュー歴をもち、構成したタレント本多数。自著には女性の生き方をテーマにしたものが多く『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)、『大阪の女はえらい』(光文社知恵の森文庫)、映画『音楽人』の原作など。
    ブログ『森綾のおとなあやや日記』 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

  • ヘアメイク:西田裕美子

    数店舗の美容室で経験を積んだ後2002年にヘアメイクに転向、ヘアメイク事務所Deuceに所属。やさしい人柄であたたかく誠実な仕事ぶりには定評がある。女性らしく明るい、透明感のあるメイクが得意。現在CDジャケット、PV、TVやショーを中心に活躍中。

衣装協力:HONEY MI HONEY http://honey-mi-honey.com/
撮影:萩庭桂太