SHOKOの本名は池間晶子である。

「古風でしょ(笑)。母がスイス人なんですが、スイス、ドイツ、チェコのミックス。父親が日本人です。沖縄はミックスが多いと思われているけれど、それは島の中部の話。私が生まれ育った糸満は南部で、さとうきびと防空壕跡しかないところ。ミックスなのは、私と弟くらいだったから、とても目立ったんですよ」

 子どもの頃は「外国人はコワイ」といじめられたこともある。でもいじめられるという事実を、親に言うことができなかったのだそうだ。

「母親に申し訳なくて。『何も悪いことしてないよ』と、母親は行事に堂々と来てくれたけど、正直、来てほしくないと思ったこともありました」

 ところが成長するにつれ、ミックスであるがゆえの美しさが際立っていく。

「ミックスであることがダメなんだというところから、高校生になった頃からだんだん『可愛い! ミックス、いいな』になっていきました。地元でモデル事務所をつくった社長が『ミックスだからモデルになりなさい』と言ってくれて、モデルになりました。その人に会えなかったら、今頃、まだ人前に出るのはなるべく避けようとしていただろうし、仕事も沖縄でレジを打つバイトとかをしていたと思います」

 私は、私、と思えるようになった彼女は、急に輝き始めた。

「それまでは目立ちたくなくて、白がはやれば白を着ていました。でも流行なんかどうでもよくない、と言える私になれたんです」

 そんな矢先、島のモデル事務所が倒産し、彼女は東京の事務所に所属することになった。

  • SHOKO

    沖縄県出身のモデル、女優。日本人の父とスイス人の母を持つ。18歳でモデルとしてデビュー、20歳で海外中心のモデル活動を始める。日本語、英語、中国語を話す。2012年には、中国・台湾の合作映画『宝島双雄』で女優デビューを果たし、得意のアクション、格闘技を披露。「GQ」台湾版2014年2月号では表紙を飾った。現在は、さらに日本でも活動の場を広げている。
    ティーム・エヴィーヴァ(所属事務所) http://www.team-evviva.com/
    公式ブログ http://ameblo.jp/shokolate-chocolate/entry-11784020085.html
    facebook https://www.facebook.com/waldispuhl.shoko

  • 取材・文:森 綾

    1964年大阪生まれ。ラジオDJ、スポーツニッポン文化部記者、FM802編成部を経て、92年に上京、フリーランスに。雑誌、新聞を中心に発表した2000人以上のインタビュー歴をもち、構成したタレント本多数。自著には女性の生き方をテーマにしたものが多く『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)、『大阪の女はえらい』(光文社知恵の森文庫)、映画『音楽人』の原作など。
    ブログ『森綾のおとなあやや日記』 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

  • ヘアメイク:西田裕美子

    数店舗の美容室で経験を積んだ後2002年にヘアメイクに転向、ヘアメイク事務所Deuceに所属。やさしい人柄であたたかく誠実な仕事ぶりには定評がある。女性らしく明るい、透明感のあるメイクが得意。現在CDジャケット、PV、TVやショーを中心に活躍中。

衣装協力:HONEY MI HONEY http://honey-mi-honey.com/
撮影:萩庭桂太