キム・ユネ
釜山国際映画祭 韓流美男美女図鑑
- Magazine ID: 1343
- Posted: 2013.10.31

#1で紹介したイ・ウヌが大人で、陰の魅力だとしたら、キム・ユネは少女で、陽の魅力。弾けるような健康的で明るいエネルギーを感じる。
会った瞬間、そう思った。
「こんにちは」と日本語がきれいに発せられた。
「小学6年から日本語を勉強しています。一度も日本に住んだことはありませんが。去年の5月くらいに日本語の最後の授業だったから、1年以上話していません。あまりうまくない。はずかしいです」
ハングルの洪水の中で、22歳の彼女がすらすらと発してくれる日本語を聞くと、急に友達のように思えてくるから不思議だ。
今回の映画祭に出品された『少女』で、ヒロインを演じている。
「私が演じるのは秘密裏に悪口を言われ、いじめられている微妙な立場の女のコ。同じ学校にソウルからトラウマをもった少年が転校してきます。そんな二人の、涙の、厳しい愛の物語です。台詞があまりなくて、目で表現するのがとても難しかったです」
厳しい、涙の、愛の物語。それだけで観たくなる。韓国では11月7日から公開されるそうだが、日本公開は未定。早く観たい。
大学で演技も勉強したが、13歳の頃からモデル活動もしている。先日、来日して「VOGUE girl」の撮影もした。
「写真を撮られるのが好きなので、モデルもやりながら、女優もやりたいです。カメラの前にいる、というのが私の幸せです。女優としては、心が熱くなるような演技ができるようになりたいです」
この国の役者さんは皆、短いインタビューの間に、必ず一度は「心が熱くなるような」という表現を使った。
その心こそが韓流映画の感動の原点なのかもしれない。
(取材・文:森 綾/撮影:萩庭桂太)