20歳からの10年間の間に、美容師、読者モデル、結婚、専属モデル、離婚、歌手、タレントってどんだけ濃いんだ!? なんでしょうかこの生き急ぎ方は。ところが彼女は悲しい過去、苦労話を隠すわけでもなく、明るく前向きに話す。そこに悲壮感はまったくない。

「モデルの仕事は楽しかったです。でも歌手はCDが売れないとダメ。多くの人が関わり、労力と時間がかかるお仕事です。一生懸命やっていてもなかなか思うように結果が出なくて、契約が終了しました。次の目標をどうするか、事務所の方と何度も相談して新しいことにチャレンジすることになりました。いろいろな撮影のお仕事やドラマ出演などもさせていただきました。

 これからは、女性誌でモデルをしつつ、ファッション周りのデザイン関係、創作活動をしてみたいと思っています。今までずっと走ってきた感満載だから、ちょっとゆっくり、お仕事は地道に、ひとつひとつ大切にやっていきたいと。今までの経験も生かしてさらに成長していきたいです。」

 紆余曲折して遠回りはしたもの、ようやく自分が本当にやりたいことが見えてきたってところでしょうか。

「以前は若かったこともあり、周りも見えない、自分のことで精一杯でした。今思うと焦り過ぎでした。もっと等身大の自分でいられたら、もっと違う状況になっていたかもしれませんね。でもその経験があるから今があると思うし、いろいろ気がつけたことに感謝して、前に進んでいきたいです」

 なるほどね。で、今この場所にいるわけだ。さらに続く!

取材・文:横田一郎
撮影:萩庭桂太