クラシックのハープ奏者でもある彼女がポップスの音楽ユニットを作り、ハープを演奏するだけではなく歌も歌う。しかもかなり上手い。

「歌うことは好きですけど、本業ではないので自分のコンサートやライブでたまに弾き語りをしてはいました。もともとクラシックを勉強してきたんですけど、あんまり真面目じゃないので、突き詰めて練習し続けるのが苦手で、それよりも自分の好きな音楽をずっとやりたい、弾きたいと思っていたんですよね。クラシックって譜面に書いてあることを弾くわけです。それもひとつのチャレンジではあるんですけど……。その時の気分で盛り上がったりシュンとしたりするような演奏をするのがすごく面白くて好きなんです。で、大学を卒業してからコードとかジャズの勉強をして、多くのジャンルに手を出すようになりました」

 現在Harp & Soulは所属事務所もなければマネージャーもいない。ブッキングやメンバーのスケジュール調整もすべてセルフ。というわけでこの巨大なグランドハープも自らの手で運んでいる。そのあたりの苦労話はたくさんありそうだ。ちなみに重量は38kg。

「ライブをするお店に行ったら、お店の前がホコテンになっていて車がつけられなくて、ハープを台車に載せて10分くらい押していったこともありました。いつもは誰かに手伝ってもらって2人がかりで運んでます。初めて一人で積み下ろしをしたときは大変でした。たまたま友達にお手伝いを頼むのをわすれてしまって、どうしても一人で車に積み下ろしをしなければならず、なんとかひとりでやったんですけど。案外出来るもんだなと思いました」

 というわけで、上の写真はやらせでもなんでもなく。ホントに一人で車から降ろして会場まで運んでいました、しかもドレス姿で。

 しかしながら女性4人、グループをまとめるのはさぞや大変なのでは?

「メンバー4人は性格が全然違うんですけど、その割にぶつかることもないですね。私は割とA型タイプできっちりちゃっちゃとやるタイプ。エイミーは、話をしている最中に突然メロディが降りてきて『ちょっと聞いて!』って歌いだしたりするようなアーティスト・タイプ。キャリは歌だけじゃなくて絵も得意、手先も器用で、右脳だけで動いてるような感じの子ですね。ギサッペはそういうメンバーをしゅっと締める、話が脱線したりすると元に戻してくれる、まとめ役。地に足がついている、落ち着いた感じです」

 4人とも大の仲良しなのだ。

  • 出演:Harp & Soul

    2012年に結成された女性4人からなるインディー/ポップユニット。自分たちの好きな音楽を演奏したいという想いで集まり、ライブハウスやイベントなどで演奏するようになった。シンガー・ソングライターのエイミー・ブラックシュレガーはCMやゲーム、アニメの挿入歌などを多く手がけてきた実力派ミュージシャン。彼女が作る歌は想像を超えるユニークな歌詞と美しいメロディが特徴で、新しい曲を披露するたびにメンバーが涙ぐんでしまうほど。キャリ・ダンカンはその並外れた深くソウルフルな歌声で、ライブやイベントでお客さんのハートを掴んできたシンガー。パーカッショニストのギサッペは13歳からドラムをたたいて来た、ロック畑出身のドラマーで、このユニットではペルー音楽発祥のカホンという箱形ドラムを叩いてハートビートを作っている。最後にハープの新井薫はグランドハープおよびアイリッシュハープを使ってこのHarp & Soul独特の色合いと雰囲気を作り上げている。
    初のアルバム『Lemongrass』が7月26日にリリースされたばかり。タワーレコード渋谷店、銀座・山野楽器で購入可能。詳しくはホームページまで。

    オフィシャル・ウェブ・サイト http://harpandsoul.jimdo.com/
    フェイスブック・ページ https://www.facebook.com/harpandsoultokyo

取材・文:横田一郎
撮影:萩庭桂太